分野別ガイドブックNo10
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─ 5 ─ 体育・スポーツ・健康系への進学を目指す皆さんは、どんな将来を想像していますか?「スポーツに関わりたい」「体を動かす仕事に就きたい」「体育や部活指導の先生になりたい」、様々な想いで、この分野の進学を検討されていると思います。 人々が「健康」で「元気」に生活していくために重要な要素の一つが「運動」です。運動には、身体面、心理面どちらにもプラスの効果があると多くの文献で証明されています。皆さんも運動の楽しさ・面白さを感じた経験があり、この分野へ進むことを検討している方も多いのではないでしょうか。 そうした「運動・スポーツ」に関し、厚生労働省では、「身体活動(安静にしている状態より多くのエネルギーを消費するすべての動作)・運動」の推進、スポーツ庁では「第3期スポーツ基本計画」を策定して、たくさんの人々に運動・スポーツに関わってもらうため様々な活動を行っています。 その活動の一つとして、私ども健康・体力づくり事業財団では「健康運動指導士」、「健康運動実践指導者」という「運動指導者」の資格認定を行っています。これらの資格は「健康寿命(健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間)の延伸」という目的を「運動の推進」によって達成しようとするものです。多くの人々の生活に関わる、生活習慣病予防・改善や介護予防等を目的とした医療分野でも活躍できる「運動指導者」となっており、スポーツクラブ、介護・福祉分野、学校教員など、様々な現場で活躍できる資格となっています。 今後は、ますます様々な場で運動指導者という存在が求められると考えています。それは「健康」が誰もに共通するキーワードであり、健康のために「運動」は最も取り組みやすい要素だからです。取り組みやすいと言っても、専門的知識を有していないと怪我をしてしまったり、長続きしなかったりと、時にはマイナスの結果をもたらす場合があります。この分野に進む皆さんには、ぜひ専門的知識を有した「運動・スポーツ」の楽しさを伝える専門家になっていただきたいと思っています。 自分の好きな「運動・スポーツ」で誰かを支え、一緒に喜び合えることがこの分野の魅力の一つではないでしょうか。一人でも多くの方が、この業界で活躍されることを切に願っています。公益財団法人 健康・体力づくり事業財団理事長しもみつ・てるいち▶東京医科大学医学部卒業。東京医科大学公衆衛生学講座主任教授を経て、平成24年4月より現職。この間、日本学術会議体力科学研究連絡委員会委員長、同生活習慣病対策委員会委員長、日本体力医学会理事長、日本ストレス学会理事長などを歴任。現在、東京医科大学名誉教授、健康日本21推進全国連絡協議会会長、スマート・ライフ・プロジェクト推進委員会委員長。体育・スポーツ・健康系をめざす人へ下光 輝一 さん「健康スポーツ」分野の専門家は今後ますます必要とされます

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