新の コロナ禍を経て、活況が続く化粧品業界。マスク生活やオンライン会議の影響もあり、男性のスキンケア市場が元気です。昨年、コーセーは高級スキンケアブランド「コスメデコルテ」のCMに大谷翔平選手を起用、既存商品ながら男性を中心に大幅に売り上げを伸ばしました。同ブランドは“諭吉コスメ”と呼ばれる単価1万円クラスの商品群ですが、物価高の中でも売れるという実績に。徐々にマスクも取れ、対面活動が再開されたことで、男性のスキンケア志向がメイクアップにも波及、好感度を上げるメイクに関心が寄せられています。 化粧品の対面販売の巨大市場・百貨店でも、各社が男性需要を見据えたEC販売を強化しています。三越伊勢丹ではオンラインストアに男性専用ページを設け、男性社員のコラムを掲載。購入のハードルを下げています。髙島屋も化粧品サイトを拡充し、「スキンケア」「メイクアップ」などカテゴリーを分けたECサイトを新設する予定です。大丸松坂屋では、ブランドを横断してオンラインによるスタッフのカウンセリングができるEC「デパコ」が好評です。百貨店の化粧品販売は好調を維持しており、利便性が高くなればますますメンズメイク需要の掘り起こしになることが期待されます。 スキンケアの商品開発やサービスが進む中、スカルプ(頭皮)ケアにも関心が寄せられています。元々顔と頭は続いた一枚の皮膚であり、スカルプケアを行うことで美顔効果や美髪効果を高められることから、ケア用品やサロンでのサービスが開発されています。パナソニックは自宅でヘッドスパができる頭皮エステ〈スパイラル&スライド〉や、ヘアブラシ型のリフトケア美顔器「バイタリフト ブラシ」を発売しました。ヘアケア用品を対面活動が再開発す開発する各社でも、ヘア&頭皮ケアとして「マッサージブラシ」を開発、広く展開しています。さらに、美容サロンではヘッドスパサービスが拡充。専門技術を修得した美容師が、髪のトリートメントの際に、頭皮からデコルテまで時間をかけてマッサージケアする「ヒーリングヘッドスパ」が施術メニューに見られるようになりました。日本人女性の平均年齢は50歳を超えています。人生100年時代といわれますが、いつまでも美しくいたいという思いに年齢はありません。人々の思いに寄り添う美容サービスは、ますます開発されるでしょう。 地球温暖化の影響で酷暑の時期が長くなり、子どもたちも屋外活動ではUVケアが欠かせない時代になりました。UVクリームは石鹸では落ちにくいことから、肌の敏感な子どもに大人用のスキンケアが合うのか、医療的なケアではない子ども専用のスキンケア用品に関心が寄せられています。また、毛髪の専門メーカー・アデランスが「子どものヘアケアに関する意識調査」を実施、結果が紹介されました。保護者の悩みとしては「セルフカットが難しい」「寝ぐせがつきやすい」「頭の汗の量が多い」などが多く挙げられました。子ども専用のヘアケア用品開発は、今後のテーマとなりそうです。35スカルプケア専用の美容用品が開発サロンサービスも次々誕生シリーズ こう変わるーシリシ変わるるーズ ーこう子ども専用のスキンケア&ヘアケア商品が待たれる理容・美容・メイク系の近未来美容・メイク系の美容・メイの近未来理容理容理理美容容・美容・メイク系男性メイクの需要拡大 頭皮ケア本格化“一生の仕事”への仕組みづくりへいつまでも働ける環境へ“仕組みづくり”が本格的に進む 美容師の1年以内離職率が、過去5年で最低になりました(リクルート調べ)。美容師の離職率や、免許を取得しても美容師として働かない「休眠美容師」も過去5年で最も低くなっています。現在、日本の産業界では「働き方改革」が進み、少子高齢化による人手不足を補うため、作業効率を上げる技術開発が進んでいます。理美容業界は人の手による技術が多い職業ですが、同様に職場環境の改善に取り組んでいます。結婚・出産後も継続して働ける環境づくりや、社会保険の加入・福利厚生の充実など、安心して長く働くことに本腰を入れたことが良い効果をもたらしていると識者は分析しています。今後は、休眠理美容師が復職しやすい仕組み整備がさらに進めば、「一生の仕事」として活躍できそうです。男性化粧品市場がますます活況に大手百貨店がECサイト拡充へ注 目の 新 産 業の目目注 目目新 産 産 業
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