分野別ガイドブックNo3
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栄養士・管理栄養士の歴史と功績 日本に「栄養士」が誕生したのは1926年。1947年には栄養士法が公布され、その資格が法制化されました。「管理栄養士」は、1962年の法改正により上級資格として創設されました。 栄養士・管理栄養士は、それぞれの時代の食と栄養問題に対して「栄養学」に基づいた「栄養の指導」を展開し、人々の命を守り、生活の質を向上させることにより、社会の発展に大きく寄与してきました。高齢化率が極めて高い今日では、「食を通じて科学的な栄養管理により、人々の健康に寄与する栄養士・管理栄養士の重要性」が強く感じられています。栄養士・管理栄養士になるには 栄養士・管理栄養士の教育機関は、2年または4年制の栄養士養成施設と、4年制の管理栄養士養成施設に大別されます。 管理栄養士免許は、大学、専門学校の管理栄養士養成施設で所定の単位を履修して卒業し、管理栄養士国家試験に合格することにより与えられます。栄養士免許は、専門学校、短期大学、大学で所定の単位を履修して卒業した者にあたえられます。また、栄養士免許取得者は、実務経験(1〜3年以上。養成施設により異なる。)の後、管理栄養士国家試験に合格することにより管理栄養士免許を取得することができます。 養成施設では、まず人体の構造、生化学、栄養と健康の関係などの医学的側面と、食品の栄養的・機能的特性、食物の生産・流通、加工・調理、安全性などを含めた食品科学・健康科学、衛生学的側面を学びます。これらの基礎科学を学習した上で、人の栄養状態や食生活を診断し、生活習慣病の予防として、疾病を持つ人への栄養管理や栄養教育を行うための理論と実際、食事づくりに関する献立・調理・供食の技能などを修得します。栄養士・管理栄養士の活躍の場 栄養士・管理栄養士は、保健・医療・福祉・教育・行政の分野のみならず、食品工業や一般の企業等においても、栄養学に基づく栄養管理により、人々の日常の健康増進と、傷病者を回復させることの出来る唯一の専門職であり、生涯を通じて幅広く活躍することができます。一般社団法人全国栄養士養成施設協会 会長名古屋文理大学 理事長・学園長博士(農業経済学)。東京農業大学大学院修了。2001年より学校法人滝川学園理事長、名古屋文理大学学長。2003年より名古屋文理大学短期大学部学長。2012年より同学園長。文部科学省大学設置・学校法人審議会学校法人分科会委員。6食物・栄養・調理・製菓系をめざす人へ滝川 嘉彦さん食を通して人の健康を担う栄養士・管理栄養士へ

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