分野別ガイドブックNo4
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 若い皆さんが将来夢見るものは、何でしょうか。 皆さんは幼かった頃のことを覚えていますか。幼い頃の記憶は何歳からありますか。0歳の赤ちゃんはミルクをのみ、首が座り、ハイハイをして、立って歩くと成長していきますが、いつ、誰と、どこでという記憶は曖昧です。しかし幼い頃の経験や体験は体や頭が自然に覚え身についていますね。そして今の皆さんの人格や知性、体力へとつながっています。 私たち保育者の仕事は、幼い子どもたちの将来につながるそうした成長のサポートをメインとした仕事です。保育所・認定こども園などで働く職員は子育てに関わるプロの集団です。国家資格を持ち、日々子どもと向き合い教育・保育を行っています。生活習慣などの日々の生活の自立や、さまざまな経験などを通して芽生える精神的自立、同世代のお友達との遊びやより多くの大人との関わりは、子どもたちの表現力や発想性の豊かさへつながります。 保育士をめざされる皆さんは、勇気を持って保育所や認定こども園の門をくぐってみてください。インターンシップとまではいかなくても、見学や職場体験などを受け入れてくれる施設は多くあります。もし、受験を考えている保育士養成校があれば、問い合わせして受け入れていただける施設を紹介してもらっても良いでしょう。百聞は一見に如かずという言葉もあります。進学を悩んでいる方ほどトライしてください。子どもたちの笑顔と一人ひとりの個性と発想力にびっくりするかもしれません。今を一緒に生きているという感動が味わえると思います。 メディアなどで言われている保育に関するネガティブな報道も耳にすることもあると思います。世間から注目を浴びている子育ての最前線ですから大きく取り上げられる面もありますが、職員の処遇(権利・待遇)は著しく改善されています。権利・待遇とは給与・賃金そして休暇・残業時間です。経験年数を重ねた方や研修修了者の給与は、今の社会で見劣りしないものに上がっています。また、人員配置の改善やICT化による事務作業軽減により残業も減り、休暇も取りやすくなりました。子どもたちの記録、保護者への伝達なども事務量自体の削減もありますが、ICT化で手書き書類が少なくなり、メールやラインを使用して連絡も容易に行えるように大きく変わってきました。 職員一人ひとりのゆとりは、「不適切な保育の考え方」「保護者のクレームへの対応」「職員間の人間関係」に大きな変化をもたらしています。 進学を迎えたお子様を持つ親御様も、お時間があれば施設の見学をされてみてください、安心してお子様と一緒に進路を決めていただけると思います。─ 3 ─社会福祉法人全国社会福祉協議会全国保育協議会会長2006年より社会福祉法人全国社会福祉協議会 全国保育協議会協議員に就任。2021年5月より、全国保育協議会会長に就任し、現在に至る。ほか、関東ブロック園長会会長、社会福祉法人尚栄福祉会 理事長を務める。保育・教育・福祉系をめざす人へ奥村 尚三 さん若い皆さんが将来夢見るものは

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