大学・短大の特色のひとつである「ゼミナール」では、教授と学生が人間としてのつきあいを含め、少人数でさまざまなテーマに取り組みながら関連の研究を重ね、知識を深め実績を積んでいきます。 卒業後の進路は、どのゼミで何を学んだかによって方向性が決まる、といわれています。 私立大の初年度学納金は平均すると約136万円。短大も同じくらいかかります。国立の場合、大学・短大とも約82万円とだいぶ安くはなります(文部科学省 令和5年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金平均額)。 上記の額は1年次ですが、2年次以降の学費(授業料中心)は多くの大学と短大で物価指数などにより増額するスライド制をとっています。 このほかに、例えば東京で生活する場合、一人暮らしには1ヵ月平均約14万円以上かかります。 大学生の支出で意外に多いのは臨時の出費です。特に、運転免許の取得、各種資格試験やダブルスクールと言われる専門学校の授業料、サークルやゼミの合宿などは費用が多くかかります。このような多額の出費は、アルバイトでやりくりしている学生もかなり多いようです。 学費や生活費を助ける手段のひとつは奨学金です。奨学金制度は①日本学生支援機構 ②地方公共団体や民間の制度 ③大学独自の制度の3種類です。検定試験の成績や資格取得に応じて受けられる独自の奨学金を設けている大学もあります。 大学は4年、短大は2年ですが、最近は大学院進学もふえてきており、大学院が高いレベルの職業人養成に力を入れてきているのも、大きな特色です。 修士課程2年、博士課程はそのうえに3年となっています。 短大の場合、卒業すると4年制大学への編入のチャンスも生まれてきます。同様に、専攻科や他の短大、あるいは専門学校へ進む短大卒業者もふえています。 さらに、専門学校から四大への編入も可能になりました。国立では東北大、筑波大、埼玉大、東京外大、私立では、獨協大、桜美林大、国士舘大、駒澤大、東京農大、立正大、神奈川大など多数の大学で実施されており、専門学校の卒業生を受けいれています。この傾向はますます高まっていくことでしょう。 大学、短大の入学者選抜方法は2021年より大きく変化しました。大学入試センター試験は2020年を最後に終了し、2021年からは思考力・判断力・表現力を重視した「大学入学共通テスト」が新たに始まり、さらに2024年度以降は新たに「情報」を加えた6教科8科目が課されるようになりました。AO入試が総合型選抜、推薦入試が学校推薦型選抜、一般入試が一般選抜に名称も変更されています。 一方、即戦力が期待される中、資格をとる学生がふえてきました。語学関係や情報処理関連など、就職のとき武器になるものはいろいろあります。 さらに、大学での学習に加え資格取得のため、専門学校に通う「ダブルスクール」をする人もいます。 最近は大学も年々変化しており、特に五つのサービスと言われる、資格、情報、就職、留学、語学をサポートする大学や短大も充実してきました。利用できるものは大いに活用して、チャンスの幅を広げましょう。 近年のコロナによる採用控えも落ち着き、企業も長期的展望から採用人数を増やしています。大学選びのポイント 四大、短大ともまず、自分の興味、適性(学力を含む)、能力を基本に考えることが大切です。特に好きな教科に結びつくところと、将来やりたいことを中心にするとよいでしょう。このことを重視すると、何をやっても長続きします。 また、2019年度以降、専門職大学・専門職短期大学が誕生しています。今後も認可申請中を含めて、専門分野を学べる専門職大学・短期大学が新設される予定です。これらをふまえて将来を見据えた進学先を選ぶことが大切です。43学 費修業年限選抜方法就 職大学・短期大学のアウトライン
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