―ホテル・ブライダル業界―どんな時も相手に寄り添ったサービスをここ数年、ブライダル業界では、個性重視のコンパクトな結婚式が人気のようです。ブライダルプランナーとともに二人の個性を最大限活かせるオリジナルの式を創りあげていきます。一生に一度の大切な思い出をクリエイトするために、ブライダル業界ではさまざまなアイディアを競っています。 しかし、何よりも式を挙げる二人の家族や友人、来客が温かく見守ることのできる心のこもった式を演出したいものです。 沖縄や外国などで式を挙げるリゾートウェディングも人気を集める一方で、挙式や披露宴を行わない「なし婚」も増えていました。そのような中、少人数で祝うガーデン・ウェディングの急増、また結婚記念の想い出に、さまざまなロケーションで写真を残す『フォトウェディング』も人気を呼ぶなど、短期間でホテル・ブライダル業界にも多くの変化が生じています。 このようにブライダル市場は多様化しており、より質の高いサービスの提供が求められていくでしょう。また、どんな時も相手の気持ちに寄り添った提案ができることも重要です。―エアラインの仕事―コロナ禍の影響も数年後には回復へコロナ禍、大幅に売上減少となったエアライン業界ですが、今後数十年にわたって、世界全体での航空需要は右肩上がりで上昇するという予測はさまざまな機関で一致しているようです。その原動力となるのが、中国・インドに代表される新興国の経済発展と中間層の人口拡大です。これまであまり航空機を利用してこなかったこれらの層によって2030年には現在のほぼ2.6倍の輸送量(人キロ)が見込まれています。 航空業界の就職は企業数が限られ、採用人数が少ない割に、就職人気が高いために難関とされています。それでもここ数年は首都圏空港の発着枠の大幅な拡大、団塊世代の大量退職などの背景があり、新卒採用を強化していました。 コロナ禍で新卒の採用を控えていた全日本空輸(ANA)、日本航空(JAL)も、2023年度入社の新入社員を対象にした内定式を3年ぶりに開催するなど、回復へ向けての動きが見え始めてきました。 航空会社には大元の親会社の他に系列のグループ会社がたくさんあり、航空貨物や貿易、空港での保安・管理など多くの仕事があります。視野を広げて自分に向いている仕事は何かを探してみましょう。旅行会社は学生に人気が高く、最大手のJTBグループは、毎年、人気就職ランキングの上位を占めています。格安ツアーや個人旅行も根強い人気でネット専業旅行会社の宿泊取扱人数は大手トラベル会社に迫る勢いです。旅行会社の基本は営業です。主に個人の旅行を扱うカウンターセールスと企業や法人を受け持つ団体セールスです。どちらも顧客のニーズに合わせるコンサルティング能力が問われます。また、最近は旅行に飽きたらず、アニメの聖地やパワースポットをめぐるツアー、地元グルメと農業体験を楽しむツアーなど企画力がモノをいう時代です。コロナ禍を経て、ネットやVR技術などを活用したツアーのプランニングも充実しました。常に新しい情報をキャッチし、顧客のニーズを捉えるユニークな企画を考える柔軟性が大切です。 現在、サービスで差別化を図る高級ホテルと、低価格戦略を進めるホテルの二極化が顕著です。方向性は違いますが、人口が多く、生活にゆとりのあるシニア層の取り込みが必要です。また、地元の良さを見直すような国内旅行のプランも注目されています。 自分がめざそうと考えるホテルの場所は、都市か観光地か、外国人が対象か家族連れか、またはビジネスマンかなどを見極め、求められるサービスを考えてみましょう。業界就職最前線86
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