分野別ガイドブックNo7
35/210

●インダストリアルデザイナー●クラフトデザイナー●ファニチャーデザイナー●ジュエリーデザイナー●ユニバーサルデザインコーディネーター●CAD利用技術者     ●伝統工芸士●プロダクトデザイン検定 プロダクトデザインの分野は大きく分けて、工業生産された大量の製品、機械のデザイン=インダストリアルデザインと、製品の一つ一つに心をこめてつくる手工芸的なデザイン=クラフトデザインの2つになります。 インダストリアルデザインは、産業革命後に可能になった大量の工業生産物や、高度に発達した精密機械類を対象とします。 工業デザイナーは、技術的知識と能力はもちろんのこと、消費者の好みや流行、他商品の傾向、会社の方針や考え方、原価意識などに対する配慮も心得ながら、その製品のデザインをしていかなければならないのです。 クラフトデザインの分野はインダストリアルデザインのように規格化された製品でなく、個性的な手づくりの良さを活かし、さらに伝統的な手法を現代に反映させた作品が対象となります。 日本の伝統の陶磁器、竹細工、木製品、ガラス器、鉄器などで、用途も食器、調度品、装飾品、仏具、神具などです。それらは素材が違うとその制作プロセスも全く違ってくるため、木工芸、革工芸、陶工芸、ガラス工芸、金属工芸などの素材に応じてその特色が分かれます。 そしてさらにプロダクトデザインに携わるすべての人々は自分の扱っている製品を通して、文化・文明の発達のための担い手としての意識と、ものづくりへの情熱を注ぎこむことが求められます。 芸術系・美術系の学校でプロダクトデザインおよびインダストリアルデザインなどデザイン全般を学びます。プロダクトデザインの対象は多岐にわたり、専攻は製品デザインコース、インテリア・家具デザインコースなどにわかれ、基礎を学んだあとはそれぞれ専門分野について詳しく学びます。 見た目の美しさだけでなく、使いやすさを考慮したデザインが求められるため、製品の形状や機能、材質などについても知識がなくてはなりません。ただデザインするだけでなく、設計・生産・流通といった工程にも深く関わり、技術者や販売担当者など関連スタッフと協力しながら、ひとつの製品の完成に向けて深く携わります。 さらに、クラフトデザインを専攻する場合は、それぞれの伝統的な技法について演習などを通して学んでいきます。 インダストリアルデザイン、クラフトデザイン、いずれの場合でもその美しさは機能を無視しては成り立ちません。生活を豊かにし、より役に立つ形でこそ美しさが存在するのです。したがって、形をつくりあげるベーシック(基礎)の段階において形と形・物と物・物と人間の関係を追求し、メカニズムに対する感受性と物事に対する科学的な眼を養うことが大切です。その基礎の上に立って、平面構成・設計製図から3次元の世界の展開法、レンダリング、機械学などの理論と実習に習熟する必要があります。 宝石を施した貴金属製品は、デザインによって売れ行きが大きく左右します。元が高価な石でも、デザイン次第ではその価値をアピールすることができません。ジュエリーデザイナーは、宝石の姿と価値を決めるという大役を果たす職業です。 専門学科では、デザイン、制作、貴金属・宝石知識などを総合的に学習します。科目例としては、デザイン系がデッサン・着彩・透視図法・商品デザインなどで、制作系が糸ノコ・ヤスリ・ロウつけから各種指輪の作成など。これらの他に、宝石の鑑別・鑑定があるのが大きな特徴です。47〈どんな仕事〉〈何を学ぶか〉〈アドバイス〉ジュエリーデザイナー関連職業関連資格デザインする対象は、身の回りのものすべてデザイン系プロダクトデザイナー工業系デザインと手工芸デザイン使いやすさと美しさの両立好奇心が創造性の源常にセンスを磨くべしきらびやかな輝きをデザイン宝石の姿と価値を決定する仕事

元のページ  ../index.html#35

このブックを見る