●ファッションデザイナー 人間は有史以来衣服のみならず、生活用具全般にまで繊維品と深いかかわりをもってきました。テキスタイルとは、織る、編むの布地を意味する外来語で、繊維製品全般をいいます。テキスタイルデザイン(工芸)とは、服飾関係のプリント(捺染)や毛織物、壁紙、カーペットなどインテリア関係における布地のデザイン(色・柄)をいいます。それらは工業生産化が進み、生活環境の変化に伴って、建築、インテリア関係にも分野が広がり新しい素材の発見や技術の進歩で可能性はますます拡大されてきています。一方で量産化ではなく、手織りや機械織りなど伝統的な作り方に基づいたオリジナル服地、ネクタイ、壁掛、タブローなど一品制作の服飾品も人気があります。また、プリンティングの他に織り、編み、結びなどによってなされる立体的なデザインのウィービングがあり、ここでも新しい技法や素材が開発されています。さらに、雑貨や小物などで染織などのパターンを図柄として取り入れたものが人気を得るなど、他分野からもテキスタイルは注目されています。 近年は帯の西陣織で壁面装飾を施すなど、伝統の技術による新たな挑戦が世界的に関心を持たれているようです。 テキスタイルには大きく分けてプリンティングとウィービングがあります。非常に広範囲にわたりますので、いずれかに的を絞り、専門的に学ぶことが大切です。また学校では美術・デザインの基礎教育から造形力を養い、理論と技術を修得し自分で自由に表現出来る創造力を身につけることが大切です。●和裁検定●色彩検定●模様師 ●糸作家 一般に日本の伝統工芸である着物の染色や織物は、“染織”といわれています。 日本の染色はおもに着物によって受け継がれ、芸術性の高い染色・染織文化が築かれて来ました。着物は留袖や訪問着など、仕立てた状態で一枚の絵となるよう描き、染め、織るという高度な技術が継承されています。成人式、結婚式、お茶席、そしておしゃれ着として現代の生活にも根付いています。世界に誇る民族衣装として、海外に着物を持参して行く人も多く、最近は外国人観光客が浴衣を着て街歩きすることが人気となっています。 この様な美しい着物は、高度な伝統技術の友禅、ろうけつ染、型染、しぼり染などで作られます。 染色や染織の専門学校では、徒弟制度で10年の歳月を要したものを2〜4年の本格教育で全てにわたって学ぶことができます。この様な本格教育をしているところは大学でも少ないのが現状です。 着物は手間をかけて人の手で作られた美術工芸品的なものが多くあります。伝統文化の美しい着物を受け継いで行くには、高度な美術感覚と技術を身につけなければなりません。本格教育によって絵やデザインの基礎もしっかり学べる学校を選ぶことが大切です。 専門学校ではデザインから染の完成に至るまで、ろうけつ染・型染・友禅にわたって総合的に学びます。また、日本文化史、美術史、国文学や養蚕知識などの科目も併せて学びます。53●テキスタイルアドバイザー●パターンメーキング技術検定●色彩検定〈どんな仕事〉〈何を学ぶか〉〈どんな仕事〉〈何を学ぶか〉関連職業関連資格関連職業関連資格デザイン系織りと染めの布地デザイン古くから受け継いだ色を紡ぐデザイン系染色家・染織家服やインテリアの布地を彩るプリンティングとウィービングどちらかに的を絞る日本伝統の着物を華やかに彩る染以外にも日本文化や美術史も
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