犬は、15,000年から20,000年前に家畜化が始まった最古の家畜であり、昔は狩猟時の使役や番犬として我々、人間を支えてきました。その後、護衛犬や装飾としての改良が施され、今では世界中で約350種にもなる品種が作出されました。当初は先に記したとおり、番犬などのポジションから、現在では軍犬や警備犬、警察犬、空港や港の税関で使役する税関品目探知犬の他に、セラピー犬やガン探知犬など、様々な場で犬が活用されています。このような犬種の発展は、我々人間の発展と言っても過言ではありません。そして、大多数の犬たちは、家庭犬として家族の一員としての地位を確立しています。まさに犬は、人間の家族、パートナーとなったのです。 当協会、NPO法人日本社会福祉愛犬協会(KCジャパン)は、51年前の1973年に「愛犬を通じて社会福祉に貢献をする愛犬家の為の団体」を基本理念として創立されました。当協会は純血犬種の犬籍登録や訓練士、トリマーなどの資格発行も行いますが、主な活動として、地域防犯パトロール「犬のおまわりさん」を実施しています。これは、愛犬家の皆様一人ひとりが、愛犬のお散歩中に日本国の宝である子供たちの通学などを見守り、健やかな成長に少しでも寄与することを目指して、通学路の防犯活動を行うもので全国で展開しています。犬のブリーダーや訓練士、トリマー、獣医師、動物看護師など、犬に関わる職種に興味を持っている皆様には、夢を叶えるためにぜひ頑張っていただきたいと思います。余談ではありますが、私も皆様と同じ高校生(2年生)の時に犬の訓練士に憧れ、師匠に弟子入りしました。登校前の夜明け過ぎから師匠の犬舎に行き、犬の管理をし、帰宅前にも犬舎に寄り、土日はほぼ毎週のように訓練を学びに行きました。弟子入りしてから約3年で訓練士の資格を取得しましたが、その時の感動は今でも覚えています。まさに私の青春は、犬一色でした。弟子入り時には辛いことや悲しいこともありましたが、それを乗り越えてこそ得るものがありました。人生は、良い時や悪い時だけではありません。しかし、努力し、頑張った者にしか得ることのできない喜びがあります。一つのことに一喜一憂するよりも、絶えず努力をし、努力をした者だけが得ることができる人生の喜びを、皆様が経験できることを衷心より祈念申し上げます。NPO法人 日本社会福祉愛犬協会専務理事わたなべ よしと▶幼少の頃から生き物が大好きで、高校2年生より犬の訓練士に憧れ学校に通いながら訓練士の勉強をし、KCジャパン訓練師範、KCジャパン国際全犬種審査員の資格を取得。現在は、KCジャパンの専務理事を務めている。3動物・自然・農業・海洋・環境・バイオ・化学・造園・フラワー系をめざす人へ渡辺 義人氏犬を通じた社会福祉
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