̶動物病院・動物医療の就職̶しつけや栄養、ペットフードなどの広い知識を身につけよう̶農林水産分野の就職̶スマート農業で活性化多分野を巻き込んだ産業へける機会が増えていると考えられます。また、高齢者がペットを飼う割合が増えていることも挙げられます。子供が独り立ちした後に、家族の一員としてペットを招き入れるというケースが増加しているそうです。最近は、ペットのための改築や、ペット用に設計されたマンションの建設なども盛んです。 このような要因で、ペット関連商品の需要やペットの美容の需要は増加しているといえるでしょう。ミニチュアダックスフント、トイプードル、チワワは、近年人気の高い犬種の代表としてあげられますが、特にミニチュアダックスフントと、トイプードルはヘアスタイルの変化を楽しめる余地があり、トリマーのニーズが高いです。 ただし、成長に伴い、競争は激しくなることが予想されます。また、犬の飼育頭数そのものは減少しています。このような中で、より価値を感じてもらえるようなサービスが必要になります。トリミングサロンを経営するなら、通常のサービス以外のものを提供できる工夫やアイディア、もしくは経営的な視点を持つことが不可欠でしょう。市場の拡大と共にペット用のアロマセラピー、泥パック、マッサージなど、サービスのバリエーションが豊富になってきています。ペットの流行に敏感であることが大事です。 最近の傾向としては、ペットのしつけが、需要の増えている仕事として、以前より存在感を増してきました。ペットのしつけを専門として働いている人だけでなく、トリマーやペットショップの店員などが、飼い主のしつけに関してアドバイスしていけるような力を持っていると、有利に働くかもしれません。 ペットへの関心がますます高まっている現在、動物病院にも変化が訪れるでしょう。動物病院の獣医師は、獣医学科の卒業生の就職先として年々割合が増加し、動物病院の数も増え続けてきました。 しかし動物病院コンサルタント「カトー」の調べでは、ペットの飼育世帯数が減少する一方で動物病院は今後も増加が見込まれているため、競争に対応できる力が求められると分析しています。動物にも人間並のサービスが求められているのは、ペット用品だけでなく医療に関しても同様です。ペットにも高度な医療が求められているので、獣医師や愛玩動物看護師にも、そのような飼い主の要望に応えていけるだけのサービスを提供していく力が求められます。特に、ペットの健康管理やペットフード等に対して指導できる力も重要となるでしょう。 なお、診療の補助の業務は国家資格である愛玩動物看護師を有する者のみ(獣医師を除く)が行うことができる独占業務となっています。また、愛玩動物看護師法では、愛玩動物看護師でない者は、愛玩動物看護師又はこれに紛らわしい名称(動物看護師等)を使用できないとしています。 農業の担い手が減る中、政府が中心となりICTやAIを使った効率的な農業への研究・開発が活発化しています。こうした農業はスマート農業という言葉で表され、将来大きく発展する可能性を秘めています。 また、これまでは、家族などが小規模で営んでいるのが日本の農家の大多数のケースでしたが、最近では企業が農地を所有し、栽培するケースが増加しており、農業を一つのビジネスと考えている企業が増えています。また、野菜を従来のような農地ではなく、工場のような屋内施設で栽培する研究がなされており、まだ課題はあるものの、実用化もされてきています。このように農業にはまだまだ発展する余地があります。漁業や林業も活発ではありませんが、新規就業者に対する資金面の支援や政府から都道府県職員の育成制度などの支援がなされています。 その他、環境分野はどうでしょうか。かつてないほどエコが叫ばれる現在、環境ビジネスに関わる仕事の需要は健在です。PM2.5や放射線など、健やかな生活を阻害する因子への人々の関心は高く、環境汚染などを調査する「環境測定・環境分析」の分野も今後もっと必要になると考えられます。 現在農業分野は担い手不足のため、就業条件を選ばなければ仕事につくこと自体は難しくありません。しかし、スマート農業の技術や知識を取り入れていくことは今後、重要になるでしょう。また、農業系の研究職や技術職に就くには、バイオテクノロジーや生産改良などの専門知識が必要です。公的な研究機関で働くことが多く、農業機械や食品のメーカーで活躍するケースもあります。 農業・漁業・林業は働く人が減少していますが、政府が今後成長を期待している分野です。今後は、ただ農作物を生産するという従来のあり方ではなく、農業生産者が多様な業種と連携しながら、販売や流通にもかかわっていくあり方が求められています。インターネット上で、営農指導者どうしが情報共有できるWeb サイトなどが新しく開設されるという動きも目立ちます。コロナ禍なども経たことにより、このような同業者とのつながりが、今後活発になるかもしれません。将来、若い世代にも魅力ある職業やビジネスとなっていけるかどうかが、この業界の課題のひとつです。69業界就職最前線企業の参入で変わる日本の農業
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