▶職種について詳しく知りたい方は:(公社)日本臨床工学技士会https://ja-ces.or.jp/生命維持装置などのME機器を取り扱う医療工学の専門家●臨床工学技士国家試験合格率の推移2020年2,6422,1682021年2,6522,2322022年2,6032,0962023年2,7062,311実施年受験者数(人)合格者数(人)82.184.280.585.4合格率(%)●臨床工学技士になるには 臨床工学技士国家試験に合格すると免許が与えられます(厚生労働大臣の免許)。国家試験の受験資格を得るにはつぎのような方法があります。① 高校卒業後、都道府県知事指定の養成施設(専門学校または大学・短大)で3年以上必要な知識と技能を修得し卒業する。② 大学・短大で2年(高等専門学校は5年)以上、あるいは医療系養成施設(看護師、臨床検査技師、診療放射線技師、理学療法士、作業療法士、視能訓練士、義肢装具士)で2年以上修業し、厚生労働大臣の指定する科目を修め、指定の臨床工学技士養成施設で1年(夜間2年)以上必要な知識と技能を修得する。③ 大学で厚生労働大臣の指定する科目を修得する。▶さらに詳しく知りたい方は:看護医療進学ネットhttps://www.ishin.jp/または「看護・医療系学校最新入学全ガイド」(10月発行)をご覧ください。 人間の生命を維持するための呼吸、血液の循環、代謝を一時的に医療機器に代行させたり、補助させたりする生命維持管理装置の操作と保守・点検・管理が臨床工学技士の主な業務です。 生命維持装置には人工透析装置、人工心肺装置、人工呼吸器装置、高気圧酸素治療装置、除細動装置、体外式心臓ペースメーカーなどがあります。医療チームの中では唯一、機械・電子装置などの工学的な知識をもつスペシャリストであり、患者からの信頼を得る必要もある重要な仕事です。機器に精通するため、医療機器メーカーに就職するルートもあります。 生命維持装置は、以前は命を失うしかなかった多くの患者の命を救ってきました。また、医療機器は、医療の質の向上にも大きく貢献してきました。しかし、こうした医療機器はひとつまちがえば、直接患者の生命に関係するものですから、安全で信頼性の高い機器でなければならないことはもちろん、これらを使用する臨床工学技士は、高度な知識と技術をもっていることが要求されます。─ 41 ─ 病院の手術室、人工透析室、集中治療室、高気圧酸素治療室などのほか、企業や研究所での機器開発・研究、機器ユーザーへの指導などのしごとがあります。● 資格の特徴 ● 臨床工学技士は1987年に法制化され、翌年施行された医療系では比較的新しい国家資格です。ますます高度化し複雑になる現代医療。もはや医師の知識や技術だけでは対応できなくなっています。とくに、高度な医療機器が進歩してきたため、これらを効果的に安全に操作し、適正で質の高い医療を確保するためには、最先端の工学的な知識と技術をもった臨床工学技士がどうしても必要です。特に昨今は、新型コロナ肺炎治療で使用する人工肺(ECMO)のオペレーター不足などが叫ばれています。 臨床工学技士の活躍の場はこれまで病院が中心でしたが、最近では医療機器メーカーでのユーザーへの機器運用の指導、研究機関での医用機器の研究・開発、臨床工学技士養成施設での教育分野からの求人も増加してきました。臨床工学技士は、このように幅広い分野で求められている将来性のある資格といえます。ライセンスのとり方卒業後の進路工学的な知識を持ち患者の命を支える臨床工学技士臨床工学技士
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