分野別ガイドブックNo9
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▶職種について詳しく知りたい方は:(公社)日本歯科技工士会https://www.nichigi.or.jp/女性の進出もめざましい入れ歯や差し歯作成のプロフェッショナル▶さらに詳しく知りたい方は:看護医療進学ネットhttps://www.ishin.jp/または「看護・医療系学校最新入学全ガイド」(10月発行)をご覧ください。 義歯やつぎ歯(入れ歯やさし歯)、歯冠、詰め物、歯列矯正装置などの歯科補綴(ほてつ)物等をつくるのが主なしごとです。 歯科医師から出される歯の石膏モデルにあわせて、金属などの素材を加工して、一つひとつ手づくりで精巧にしあげていきます。 そのため、技術や知識も必要ですが、審美歯科に代表されるように歯型彫刻の造形技能、歯並びなどの自然感を表現する美的感覚を磨いていくことも重要です。最近は、女性の進出が増えています。 人間の永久歯(おとなの歯)は上下で28本から32本です。性別・性格・老若・生活環境などのちがいによって歯のかたち、色、歯並びなどに微妙な差がありますので、補綴物は一症例ごとの手づくりとならざるをえないことから、作業の標準化や品質の規格化は困難です。したがって、繊細な感覚と確かな手技が歯科技工士の重要な資質となっています。自然感と機能回復を追求するしごとであることを考えあわせれば、歯科技工士は「創造は必要だが創造だけではない作業」ということになります。 昨今は、口腔内スキャナーや3Dプリンターなどの新しいテクノロジーを利用する歯科技工士も増えています。こうしたテクノロジーと歯科技工士の技術が融合することで、より高品質で高精度な歯科補綴物の製作につながっていくと期待されています。●歯科技工士になるには 歯科技工士国家試験に合格すると免許が与えられます(厚生労働大臣の免許)。国家試験の受験資格を得るにはつぎのような方法があります。① 高校卒業後、文部科学大臣または都道府県知事指定の養成施設で2年以上必要な知識と技能を修得する。② 歯科医師国家試験または歯科医師国家試験予備試験の受験資格を得る。③ 外国の歯科技工士学校卒業または免許所持者で厚生労働大臣の認定を受ける。─ 43 ─ 歯科技工所、歯科医院、病院、企業の診療所、材料メーカーなどが主な進路です。経験を積んでいけば、独立し自分で技工所を開業することも可能です。 とくに歯科技工士の場合、技術的にも最初の職場が修業のスタートと考える必要があり、すぐれた先輩に指導が仰げるような環境を選ぶことが重要です。 そして、職人的な技術が基本になるしごとですから、何年間かの下積みの期間が必要になります。この下積み期間のうちにどれだけ多く技術や知識を身につけるかで、その後の歯科技工士としての選択肢が大きく変わってくるといわれています。確かな技術を身に付けておけば、比較的独立開業しやすいしごとともいえますし、技術を磨いてこだわりを突き詰めていくことができるしごとともいえます。●  歯科技工士の適性  ●専門技術を修得するためには確かな目的意識と探求心、また目的を達成するための最後までねばり強く努力できる忍耐力が大切です。また、歯科技工士のしごとは手作業が中心の仕事ですから、ある程度、手先の器用さが必要です。目安として、絵を書くことや工作が好きな人、細かい手しごとが好きな人などに適性があります。ライセンスのとり方卒業後の進路義歯や歯の詰め物をつくる高度な技術を身につける歯科技工士歯科技工士

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