▶職種について詳しく知りたい方は:(一社)日本言語聴覚士協会https://www.japanslht.or.jp/コミュニケーション障害を訓練により機能回復させる専門職●言語聴覚士国家試験合格率の推移合格率(%)2020年2,4861,6262021年2,5461,7662022年2,5931,9452023年2,5151,696受験者数(人)合格者数(人)実施年65.469.475.067.4 言語聴覚士は、「話す」「聞く」などのことばによるコミュニケーションに問題がある方にリハビリテーションなどを行い、その人らしい生活ができるように支援する専門職です。ことばによるコミュニケーションに問題が起こる要因は、脳卒中後の失語症、聴覚障害、ことばの発達の遅れ、声や発音の障害など多岐にわたります。言語聴覚士は、こうした問題の要因を正しく認識し、対処法を見つけるために、検査・評価を実施し、改善のために訓練、指導、助言など行います。また、口に関連するリハビリに携わるため、食べ物をうまく食べたり飲み込んだりできなくなる嚥下(えんげ)障害にも対応します。嚥下障害が起こると、食物が摂取できないことによる栄養低下以外にも、食物が気道へ流入してしまう誤嚥(ごえん)による肺炎なども引き起こし、命に関わる問題となります。それだけに需要も高く、嚥下障害に関するリハビリテーションは、今後も増えてくると予想されます。●言語聴覚士になるには 言語聴覚士国家試験に合格すると免許が与えられます。国家試験の受験資格を得るには、高校卒業後、都道府県知事が指定した養成所、または、文部科学大臣が指定した学校(大学・短期大学)で、3年以上言語聴覚士として必要な知識と技能を修得する必要があります。 また、つぎの者にも受験資格が与えられます。① 大学卒業後、養成所で2年以上修得した者。② 大学で厚生労働大臣の指定した科目を修めて卒業した者。③ 大学等で2年以上修業し、かつ厚生労働大臣が指定する科目を修め、養成所で1年以上修得した者。▶さらに詳しく知りたい方は:看護医療進学ネットhttps://www.ishin.jp/または「看護・医療系学校最新入学全ガイド」(10月発行)をご覧ください。─ 46 ─ 病院(耳鼻咽喉科・リハビリテーション科)やリハビリテーションセンターなどの医療機関、難聴幼児通園施設、聴覚言語障がい者更生施設、老人保健施設などの福祉機関などがあります。● ことばの障がいとは ●失語症/脳卒中などにより、大脳の言語中枢が損傷を受けてしまうと「聴く」「話す」「読む」「書く」といった言語能力に障がいが出ることがあります。言いたい言葉が言えない、言い間違いをする、他人の言葉が理解できなくなる、などの症状が現れます。また、読み書きすることも困難になります。運動性失語(ブローカ失語)、感覚性失語(ウェルニッケ失語)などのタイプがあります。運動障害性構音障害/構音(発音)に必要な発語器官(唇、舌顎など)が、麻痺などのために適切に動かすことができず、話しことばが不明瞭になります。機能性構音障害/聴覚や発語器官などに明らかな原因がないのに、発音の誤りがある場合を言います。口蓋裂言語/口蓋裂は口の中の天井に相当する口蓋が裂けている状態のことを指します。吃音/言葉の一部を繰り返したり、引き延ばしたり、詰まって言えなくなります。言語発達遅滞/知的発達の遅れがあったりコミュニケーション関係が育たないなどの種々の原因で言葉の発達が遅れることがあります。脳性麻痺/脳性麻痺のために、発声・構音などが障がいを受けることがあります。聴覚障害(難聴)/聴覚の障害によって聴こえが悪くなる状態をさします。音声障害/さまざまな原因で生じる声の障がいがあります。ライセンスのとり方卒業後の進路コミュニケーションや食べる問題に対応する専門家言語聴覚士言語聴覚士
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