視機能の検査と訓練を担う、眼科で唯一の専門職(うち新卒者)(820)(うち新卒者)(821)(うち新卒者)(780)(うち新卒者)(876) 視能訓練士は、1971(昭和46)年に制定された「視能訓練士法」という法律に基づく医療技術者です。 大きく二つのしごとに分けられます。ひとつは、眼科医師が正確な診断を行うために必要な視能検査のしごとです。具体的には、視力、屈折、視野、色覚、光覚、眼位、両眼視機能などの諸検査でデータを作成します。これらの検査によって得た正確な検査結果が適切な診断治療につながることから、眼科診療チームの一員である専門職として認められてきました。 もうひとつは、斜視(両眼の視線が合わない症状)や弱視(めがねをかけても視力がでない症状)の矯正訓練のしごとです。訓練プログラムを作って、正しい視機能回復をはかります。斜視・弱視は子どもが対象となることが多く、乳幼児検診や学校検診を行うこともあります。 また、高齢化にともない、糖尿病や脳血管障害などの全身疾患に対しての眼底検査や白内障などの眼科検査が増えています。 女性の比率が高い職業ですが、医療の進歩とともに最先端の機器を扱う機会が増え男性にとっても十分に技術と力量を発揮できる職業です。●視能訓練士国家試験合格率の推移合格率(%)96.12021年8507748427732022年9438422023年受験者数(人)837合格者数(人)804実施年2020年(801)(97.7)(762)(92.8)(745)(95.5)(821)(93.7)91.191.889.3▶さらに詳しく知りたい方は:看護医療進学ネットhttps://www.ishin.jp/または「看護・医療系学校最新入学全ガイド」(10月発行)をご覧ください。▶職種について詳しく知りたい方は:(公社)日本視能訓練士協会https://www.jaco.or.jp/●視能訓練士になるには 視能訓練士国家試験に合格すると免許が与えられます(厚生労働大臣の免許)。国家試験の受験資格を得るにはつぎのような方法があります。① 高校を卒業し、都道府県知事指定の養成施設で3年以上必要な知識と技能を修得する。② 大学で厚生労働大臣の指定する科目を修めて卒業する。③ 養成コースのある大学・短大で2年以上あるいは養成施設で2年以上修業し、厚生労働大臣の指定した科目を履修し、指定の養成施設で1年以上必要な知識と技能を修得する。④ 外国の視能訓練士に関する学校もしくは養成施設を卒業、また外国で視能訓練士の免許に相当する免許を受けた者で、厚生労働大臣が知識技能を有すると認定した者。─ 48 ─ 検査や訓練に要する設備の整った総合病院や眼科医院、リハビリテーション関連施設などの医療機関が中心です。 今後は各種保健・福祉施設で働く機会や、より高い専門知識と技術を身につけるため大学院に進学する学生も増えていくと思われます。 初任給などについては、それぞれの医療機関により異なりますが、ほかの医療系技術者とほぼ同じで、基本的には夜間勤務はありません。 近年、パソコンやスマートフォンなどを日常的に使う場面が増え、現代人の多くは目に負担をかけ続けています。2019年度学校保健統計調査では、全国の小中学生の裸眼視力において1.0未満が前年にひき続き、過去最高にのぼりました。 視力は生活の質を左右するものですから、眼の医療は今後ますます重要になってくると考えられます。また、今後の高齢者の増加にも対応することも重要です。たとえば拡大鏡や遮光眼鏡を提案することなども視野に入れ、一人ひとりに最適な視覚補助具を選び、指導や訓練を行うことが求められるでしょう。ライセンスのとり方卒業後の進路視能検査や視力の矯正訓練を担う眼の専門家視能訓練士視能訓練士
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