68 通信制の大学は、仕事と両立させながら学ぶことができ、現在42大学が門戸を開放しています。短期大学、大学院を合算すると、全国で約22万人が学んでいます。(令和5年度学校基本調査より) 学ぶ目的や入学資格などによって、履修方法は次の種類があります。1)正科生(正規の課程)大学の卒業をめざす正規の課程。所定の教育課程によって卒業要件を満たせば大学を卒業することができ、通学課程の学生と同様に学士の学位が授与される。入学には資格(高等学校を卒業している等)が必要。2)聴講生(科目等履修生)すでに大学を卒業した人が、教員免許状を上級免許にすることや、他の教科の免許状を必要とする場合に必要な教職課程を学び、単位を修得できる。3)科目別履修(科目等履修生)通信教育課程が開設する科目から、自由に一部の科目を学ぶ方法。職業上の知識や教養のために学ぶことができる。(大学によって受講資格が異なる)4)特修性(科目等履修生)一部の大学では、入学資格を持たない人のためのコースを設け、認定試験合格、所定の単位修得、その両方などの条件によって正科生1年次に入学できる。(大学によって名称が異なる場合や、募集を行っていない場合があります)●通信制大学の授業方法①印刷教材等による授業 印刷教材による自習と与えられた課題の学習成果を報告し、添削指導を受けて学習を進めます。学習を終えた科目は試験を受け、合格することによって単位を取得します。 卒業までの学習のうち、約4分の3がこの方法で行われます。②放送授業 放送(ラジオやテレビ)を利用する授業方法です。放送大学のほか、一部の大学でも放送授業を実施しています。また、放送大学の単位互換制度を利用して、放送大学の授業科目を履修して取得した単位を認定する大学もあります(最大10単位まで)。③面接授業(スクーリング) 印刷教材等や放送授業だけでは大学教育のすべてが十分に行えないため、一定の時期に集まって面接授業(講師との直接の対面授業)が行われます。卒業のためには、大学では30単位以上を面接授業で取得しなければなりません。実験・実習・語学、体育実技や一部の専門科目などがこれにあたります。 主な面接授業には、昼間・夜間・通年の3種類があります。この他に地方都市で集中講義を実施したり、土・日曜日に開講したりする大学もあります。④メディアを利用して行う授業 IT(情報通信技術)の発達によって、「メディアを利用して行う授業」としてテレビ会議式の遠隔授業や、インターネット等を活用した授業も実施しています。メディアを利用して行う授業で修得した単位は、面接によって修得した単位として代替できます。入学志願書提出卒 業 入学から卒業までの一例をフローチャート(流れ図)にすると、おおむね次のようになります。 高校卒業後に通信制大学に進学する人は、仕事との両立のほか、海外へのスポーツ留学や世界を舞台に第一線で活躍するアスリートたちもいます。海外を拠点に活動しながら、日本の大学を卒業することができるのです。 卒業時期は毎年3月と9月の2回ですが、卒業式は前年9月の卒業者と含めて毎年3月に行う大学が多いようです。 通信制大学では教員免許状をはじめ、卒業後の進路や仕事に必要な資格や受験資格が取得できます。●大学通信教育で取得できる主な資格・教員普通免許状(小、中、高、特別支援学校および幼稚園教 諭、養護教諭)【国】・保育士【国】・図書館司書【国】・学芸員【国】・社会福祉主事任用資格・情報処理士●大学通信教育で取得できる主な受験資格・社会福祉士【国】受験資格・建築士(1級・2級)【国】受験資格・公認心理師【国】受験資格印刷教材等による学習(リポート作成)リポート提出リポート添削リポート合格総合面接試問書類選考入 学履修申請教材配本面接授業(スクーリング)・メディアを利用して行う授業単位修得試験(単位修得)卒業論文・学校図書館司書教諭【国】・社会教育主事任用資格【国】・児童指導員任用資格・認定心理士 ほか・税理士【国】試験受験資格・精神保健福祉士【国】受験資格・インテリアプランナー受験資格 ほか出典:2024大学通信教育ガイド(公財)私立大学通信教育協会 発行概 要学習方法入学から卒業まで卒業後の進路いつでも、どこでも、誰でも学べる通信制大学
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