学びのすすめNo2_2025
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8● 学びの内容商学系おもな専攻カリキュラム・マーケティング戦略論・貿易実務論・ファイナンス論・消費者行動論・財務会計論・管理会計論・経営戦略論・証券市場論・金融・保険論・労働経済論etc.【資格・進路】流通業をはじめさまざまな業界へ進む道が開かれる 商学系の学部を卒業した学生の就職先は、企業での経験を積んだ後、自ら起業する道メーカー、金融・保険、IT企業、流通(卸売業を選ぶ人もいます。商学系の授業では、たとやサービス業)、各種専門サービス業など多えばコンビニエンスストアの設計について方面に及びます。民間企業以外では、税理士の研究や議論を行うこともあります。こうしや公認会計士などに進む道も開かれていまた知識が、やがて将来のビジネスチャンスす。また、独立開業を目指して商学を学び、につながることも十分に考えられます。●商学部 生産から流通、販売に至る流れを追いながら、経済の仕組みについて学びます。専攻やコースに会計(アカウンティング)、財務(ファイナンス)が設置されていることが多く、簿記を習得し、決算書などの専門的な数字を読む力を身につけることもできます。ほかにもマーケティング、グローバルビジネスを専攻できる大学も増えています。こうした実学的な取り組みの1つとして、企業が特定の問題に直面する具体的事例を取り上げ、その解決方法を探り議論するといった授業が行われることもあります。 商学部には簿記検定をはじめとして、税理士、公認会計士の資格取得を目指す学生が多いのも特徴です。一方で、販売士、中小企業診断士、宅地建物取引士、ビジネス能力検定、秘書技能検定といった資格取得をサポートしている大学もあります。 また、商学部や経営学部に、「会計ファイナンス学科」が設けられている大学もあります。そもそも、企業の会計は大きく、財務会計と管理会計の2つに分けられます。財務会計は企業がどのような経営をしているのかを財務諸表などを使って外部(株主・投資家)に示すことを目的とした会計です。一方管理会計は、企業内部で経営に必要な数字やデータをまとめて管理するものです。この2つの会計によって管理されているのが、企業のお金の流れであるファイナンスです。ファイナンスでは企業●流通科学部 流通科学部または流通学部、流通情報学部は、卸や小売をはじめとする流通業の仕組みを中心に学ぶ学部です。流通科学では、商学、経営学、会計学の知識に加えて、「モノの流れ」に注目することで社会の仕組みを読み解いていきます。企業のマーケティング分野、ロジスティクス分野とも関係の深い学問です。 また、これらの学部は、企業や流通の実態に即したより実践的な教育と人材育成に重点を置いているのも特徴です。●商経学部 商経学部では簿記・会計から、企業経営、国際経済まで社会経済について広く学びます。商学、経済学、経営学を幅広く網羅しており、社会の変化に対応できる広い視野を身につけていきます。・商学・会計学・経済学・経営学関連する学問系統・商学科 ・会計学科 ・会計ファイナンス学科 ・マーケティング学科 おもな学 科の価値を最大化することを目的とし、資金を集め、事業に投資し、資金の調達元に還元・返還をしていきます。株式の流れで考えると馴染みがあるでしょう。会計ファイナンス学科ではこれらを同時に学ぶことで、経理・財務のスペシャリストを養成することを目的としています。 ・金融学科 ・観光産業学科 etc.〈COMMERCIAL SCIENCE〉学問紹介商品・サービスやお金の流れを明らかにする 私たちが普段、さまざまなお店で購入している商品は、どのような方法で製造され、どのように店頭に届き、どのように販売されているのでしょうか。そうした疑問を明らかにするのが商学という学問です。 商学を理解するうえで重要な学問として「会計学」があります。会計学は、企業の収入・支出・利益などを明確にする会計情報に関する学問です。会計情報は企業の経営成績を表すいわば「通信簿」と言えます。企業にとっては経営戦略のために役立つ参考情報となり、株式を売買する投資家にとっても対象企業のことを知る有益な情報となります。 商学系の学部で学ぶ内容は、経営学系との共通点が多く、両者はよく混同されます。違いは、経営学は主に企業経営に関わる理論に焦点を当てた学問であり、商学は生産・流通・販売によって無数に成り立つ企業と消費者の関係(社会経済全体)を捉える学問であると言われています。しかし、実際の学びの範囲は大学の方針や考えにゆだねられているため、学部学科名にとらわれず、その内容についてよく調べて選択する必要があります。「商品」に注目して生産・流通・売買のしくみを学び、“あきない”の本質に迫るおもな商学系学部商学系学部

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