学びのすすめNo3_2025
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おもな専攻カリキュラム・機械力学・材料力学・熱力学・流体力学・電磁気学・機械設計・機械製図・自動制御etc.【資格・進路】機械工学は多くの分野で需要が高く、活躍の場が幅広い 代表的な就職先は製造業での技術部門で用されているため、やはり機械工学系の技す。自動車メーカー、自動車部品メーカー、術者が必要とされています。鉄道会社、工場で使用される産業機器メー 近年、注目されている機械製品に、警護、カー、家電メーカーなどでは常に需要があ福祉、軽作業、接客、救助などに利用されるでしょう。また、食品会社や建設会社もるロボットがあり、その活用範囲は今後急自社で工場を持ち、各種の設備や機械が使速に広がっていくと考えられています。●工学部 各大学では、製品(モノ)を作り出す技術に関する研究、または、その技術者の育成を行う学部として工学部を設置しています。工学部の中には機械工学をはじめとして、建築・土木・都市工学、エネルギー工学、化学生命工学などの分野があり、それらは多くの場合、学科として分かれています。以下、工学部に属する機械・ロボット工学系の学科について説明します。◯機械工学科 機械の設計、製作にはじまり、使用方法、運用までを研究対象とします。基礎的知識としてまず学ぶのは、材料力学、熱力学、流体力学、機械力学の4力学を用いた機械の分析です。たとえば、材料力学とは機械や構造物などに負荷がかかったとき、どのように変形して壊れるのかを研究する学問です。鉄道、飛行機など、とくに高い信頼性が要求される製品には、材料力学による強度計算とシミュレーションが必要です。また、エンジンはガソリンを燃焼(爆発)させることで大きな力を生み出します。このように熱を力に変える仕組みは熱力学の理論にもとづいています。例えば自動車のエンジンではガソリンをいかに効率よく力に変え、高い出力と燃費を両立させるかを研究します。◯ロボット工学科 機械工学の基礎を学んだ上で、ロボットの設計や、センシング、制御、機械学習などロボットに必要な技術・機械工学 ・応用物理学 ・工業デザイン学 ・航空・宇宙工学関連する学問系統・機械工学科 ・精密機械工学科 ・ロボット工学科・ロボティクス学科 ・航空宇宙工学科・機械情報工学科 etc.おもな学 科の開発・研究を行います。ロボット技術の開発のなかでも重要なのが、機械工学の上に数学や電気、情報などさまざまな分野の技術・知識をいかに統合して、新しいロボットを生み出すかということです。 また、単体のロボットの開発にとどまらず、異なる分野で活用されているロボットをどのように組み合わせて仕事をさせるか、生産現場においてどのようにシステムをコーディネートするかなど、ロボットの活用についても、研究の対象となります。●理工学部 理工学部は、工学に理学を組み合わせて、学際的な研究を行うために作られた学部です。理学とはあらゆる自然現象について基礎研究を行う学問であり、本来はそれを製品化に結びつけ、市場に売り出すことを直接の目的とはしていません。それに対し、工学が対象にしているのは実際に暮らしの中で使われる工業製品です。この両者を結びつけることで、基礎研究と応用研究をシームレスに行おうという意図を持って作られたのが、理工学部といえます。・自動車工学・応用化学・機械システム工学科11おもな機械・ロボット工学系学部身のまわりの家電からロケットまで学問紹介幅広い活躍の場で現代の科学技術を支える 私たちの生活のあらゆるシーンに関わっている数々の機械。機械工学は、こうした機械の設計・製造技術に関する研究を行う学問です。普段、私たちが使用している家電製品、自動車、医療機器、福祉機械、飛行機、さらには工場などで使用される大型機械や設備、そして宇宙へ飛び立つロケットまで、対象となる機械は実に多種多様です。現代はあらゆるものが機械によって支えられているといってよく、機械工学は現代社会の根本を支える学問といえるでしょう。 機械工学とはいえ、現在では電子制御やコンピューターによるシミュレーションなど、電気・電子工学、情報工学の知識も重要です。また、設計や製図が欠かせないのでCADの学習も必要でしょう。〈Mechanical Engineering・Robotics〉機械・ロボット工学系学部

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