学びのすすめNo3_2025
16/108

おもな専攻カリキュラム・生態学・植物発生学・動物発生学・分子生物学・遺伝学・細胞生理学・微生物学・食品学etc.【資格・進路】民間企業の研究開発部門のほか、医療研究者へ進む道も 進路としてまず挙げられるのは、食品 近年、温暖化、エネルギー危機、食料生関連会社(食品加工、醸造、発酵、飲料)、産、環境汚染などの問題が地球規模で進行医薬品製造関連会社、化粧品メーカーと中です。こうした問題の解決のためにバイいった民間企業の研究開発部門です。また、オ・生物学・生命科学分野の担う役割は大大学院進学者も多く、大学の研究者になるきく、今、最もホットな研究領域として注道もあります。目を浴びています。●理学部◯生物学科 生物学を学ぶには理学部の中に設置されている「生物学科」を専攻するのが一般的です。大学によっては、独立した「生物学部」を設けているところもあります。 生物の体の成り立ちを探る生理学、生命現象を化学的に研究する生化学、遺伝の仕組みを解明していく遺伝学、胚の発生を研究する発生学、生物と環境の関係を究明する生態学、動物の行動を探る動物行動学、進化と系統的な発生について知る進化系統学などを学びます。 生物学における基礎研究は、医学・農学の分野の発展を支える大きな役割を担っています。●生命科学部 生命科学を学ぶ場は「生命科学部」として設置されているほか、大学によっては理学部、理工学部、先進工学部、農学部などに「生命科学科」などの名称で設置されています。 入学後は生命科学の概要について学び、動物と植物それぞれの生命科学、化学、分子生物学、細胞生物学、遺伝学、生物有機化学、生化学などの科目を履修して生命科学への理解を深めていきます。その後は大学によって、動物、植物、微生物など対象別に専門分野に進むケースや、バイオサイエンス、分子微生物学、分子生命化学など研究領域別に専門分野に進●生命環境学部 生物学、生命科学に加えて、環境科学についても学びます。環境科学とは自然環境、社会環境、都市環境などについてその仕組みや成り立ちを調査・研究し、環境保全などに役立たせることを目指す学問です。 多くの大学では、生命科学と環境科学を関連づけることによって、人とほかの生物との共存、食料の生産と供給、医療分野への応用などにリンクさせる研究を行っています。●応用生物(バイオサイエンス)学部・生物学 ・農学 ・森林科学関連する学問系統・生物学科 ・生命科学科 ・応用生物科学科 ・生物工学科・生命工学科 ・バイオサイエンス学科 etc.おもな学 科むケースがあります。 応用生物学(バイオサイエンス)は、生物学と化学や工学を融合することで生命現象を解明し、そこから得た技術を人々の暮らしや産業に役立てることを目指す学問です。バイオテクノロジーがその代表であり、生物学を工学として捉えた研究領域ともいえます。 どのような分野への応用を想定するかは大学によって異なりますが、近年成果を上げているのは食品、医薬品、化粧品といった製品の研究開発です。また、病気診断用バイオセンサー、微生物を利用したバイオテクノロジーによる環境浄化、遺伝子組換え技術による砂漠緑化といった先端技術についての研究も盛んに行われています。・生命科学・環境科学・生物化学科・生物情報科学科・応用バイオ学科18おもなバイオ・生物学・生命科学系学部医療にも貢献。生物の謎を解き明かす学問学問紹介動物・植物・微生物などの謎を解明 生物学では生物の体や機能、進化、行動など、生物と生命現象について学びます。究極的には「生命とは何か」という哲学的テーマにも挑む学問です。その研究対象は分子から細胞、個体、個体集団、生態系までさまざまなレベルがあり、さらに進化や系統など時間軸に沿った研究分野も存在します。 生物学に近い学問として「生命科学」があります。これは生命現象を生物学、医学、農学などはもちろん、化学、物理学などの物質科学も動員して解き明かそうという学問です。生命科学では、しばしば生物が持つ遺伝物質DNAの分子構造に着目し、その詳細な仕組みを解明しようとする分子生物学、分子生命科学をベースとした研究がなされます。その研究成果は先端医療や新薬の開発、食料生産などに活用されることが期待されています。〈Biology・Life Science〉バイオ・生物学・生命科学系学部

元のページ  ../index.html#16

このブックを見る