学びのすすめNo5_2025
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家政学系6学びの内容etc.【資格・進路】家庭科の教員や一般企業への就職が可能 家政学系を学べる大学では、家庭科の中学・高等学校教員免許の取得を考慮した科目が編成されており、実際に教員を目指す学生が多くいます。児童学科を専攻した場合は、小学校および幼稚園教諭や保育士を目指す道もあります。 一般企業では、「衣・食・住」に関する知識や技能を生かして、アパレル、食品関連会●家政学部 被服学、食物学、住居学は、家政学部の中心的な研究領域です。この三領域を学科で振り分けていたり、いずれかの領域に力を注いでいたり、三つを基礎から学んだ上で、フィールドワークなどを含めて学際的な研究をする大学も増えてきています。 どの領域も人気がありますが、中でも根強い人気を誇るのが「食物学」です。食と栄養、食生活にはじまり、食品開発からフードデザイン、運動生理学など、分野が多岐にわたるため、卒業後はフードビジネスから医療関係と活躍の場も幅広く、即戦力として働けるのが人気の理由です。多くの場合、管理栄養士の資格取得が目指せるというのも魅力の一つといえます。 機能性とファッション性の両面から捉え、科学的かつ文化的な研究をするのが「被服学」です。昨今、ファッション・アパレル業界への就職を踏まえた実践力を養えることを謳った大学も多く、繊維製品のスペシャリスト「テキスタイルアドバイザー(衣料管理士)」などの資格取得に挑戦できます。 建築やインテリア、住環境を学ぶのが「住居学」。近年の建築家ブームも追い風になり、建築デザインを学べる大学も増え、「インテリアプランナー」や「一級・二級建築士」にチャレンジする学生も増えています。 三つの領域と関連し、社会とも深い関係がある「児童学」や「家政経済学」へも学生から熱い視線が注がれています。●生活科学部 法律学、政治学、経済学、社会学などを含めた社会科学的な手法で生活や暮らしにアプローチをするのが「生活科学部」です。基本科目は家政学部と共通していますが、ありとあらゆる生・現代家政学科おもな専攻カリキュラム・家政経済学 ・生活文化学 ・ライフプランニング学・環境生理学 ・生活環境学・情報処理関連する学問系統・住居学 ・家政・生活科学・家政学科 ・生活文化学科 ・生活マネジメント学科・生活デザイン学科 ・ライフデザイン学科・人間環境デザイン学科 ・人間生活学科 etc.おもな学 科活、暮らし全般に潜む身近な社会問題を対象とし、生活者の視点から分析し、研究します。例えば、家族、ジェンダー、高齢者、社会福祉、医療、消費者問題なども含まれます。 環境デザイン学科、食安全マネジメント学科、人間・環境科学科、人間生活学科など、大学ごとの観点やポリシーにより、学科もその内容も多彩です。 家政学部と同様に、理論研究にとどまらず、社会で実践力として活用できる知識や技能、技術、資格取得など、実学教育に重きを置くのが生活科学部の魅力の一つです。●ライフデザイン学部 生活や暮らし(ライフスタイル)を「家庭」や「地域や社会」、そして「環境」という包括的な三つの観点から総合的にデザインし、研究することもあるのが、「ライフデザイン学部」です。近年誕生し、急増している学部といえます。 例えば、新しい時代に即したより良い家庭関係の築き方、地域におけるより快適なネットワークの作り方、地球や環境に寄り添った共生方法などを提案するための研究をします。 また、人の心に寄り添った「モノ」や「組織」を形づくる、デザインするという観点から研究し、ライフデザインをクリエイティブな観点から提案、研究する学部もあります。 いずれにしても、人の基盤としての暮らしや生活を、より豊かな心で暮らせるのかを探究する学問だといえます。社、住宅関連会社などに就職する人が多いようです。また、さまざまな企業の事務職に就くこともあります。 家政学系で取得できる資格には、管理栄養士、インテリアプランナー、一級および二級建築士、ファイナンシャルプランナー(FP)、簿記などがあり、活躍の場は多岐にわたります。生活者の視点から「衣・食・住」を研究し、「社会」と「暮らし」をつなげる〈HOME ECONOMICS〉学問紹介より豊かな暮らしを目指し、生活者の視点から的確な提案をする 私たちが生活する上での「衣・食・住」を研究し、暮らしの向上を目指し、具体的に提案する学問が家政学です。それは、暮らしの先、あるいは、暮らしを支える社会を変える学問と言っても過言ではありません。 私たちが普段何気なく着ている衣服がいかに社会と強くつながっているかということを学ぶのが、「衣」に関する学問である「被服学」。人間と衣服との関係から衣服の形や素材など、衣服に関することを歴史的、科学的、文化的に追究し、現代の衣生活や現代の人々にふさわしい衣服のあり方、ファッション性やその流通におよぶまで、幅広く研究します。 毎日の食生活の根幹から研究するのが、「食」に関する学問の「食物学」。食物の生産や流通、食物そのものの栄養や食べ方まで、多岐にわたるので、暮らしや社会との接点も濃密で、昨今は病院や薬局、福祉系施設などでも活躍の場が飛躍的に広がり、人気の高い学問です。 すべての人に快適な住まいや住居を研究する「住居学」、家計や生活・消費に関わる経済・経営を研究する「家政経済学」も家政学の一つです。 その他、子どもに関する児童学、家族のあり方を研究する家族社会学・家族関係学、生活と環境の結びつきを研究する生活環境学など、現代の社会の問題を浮き彫りにし、解決を目指すような専門分野も多くあり、非常に幅広く、学びが多様なのが家政学の特徴といえます。おもな家政学系学部家政学系学部

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