学びのすすめNo7_2025
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音楽理論・音楽学系学びの内容 ●13おもな専攻カリキュラム・ソルフェージュ・作曲理論 ・対位法 ・文化学 ・曲分析研究 ・音楽心理学・教員養成(音楽) etc.・音楽史・音楽分析・言語研究・音楽美学関連する学問系統・音楽学 ・音響工学 etc.・音楽学科 ・楽理科 ・音楽文化学科 ・芸術工学科・音楽芸術運営学科 etc.おもな学 科す。音楽と文化の関係について研究する「音楽文化論」も音楽史と関連性の強い学問です。○音楽美学 「音楽の美しさ」などについて、研究や論議をする学問です。音楽の特徴、感情の関わり方など、その美的な面を中心に幅広い考察を行う、美術理論分野における「美学」の音楽版といえます。○音楽教育論 学校教育における理念や実践など、幼少期から青年期にかけての音楽の教え方などを学びます。○音響学 音の響き方を研究する学問で、本来は物理学に属します。音響学から細分化した学問として、音の人に対する影響を研究する音響生理学や音響心理学などがあります。○音楽社会学 社会が音楽に及ぼす影響や、逆に音楽が社会に与える影響について研究します。○音楽民族学 世界の民族を、彼らの音楽文化から研究する学問です。音楽人類学ともいいます。高校の音楽教師、ピアノ調律師、音楽療法士になるには、資格の取得が必要です。音楽評論家になるには、音楽関連の文筆業で経験を積んでいくのが良いでしょう。【資格・進路】文筆業を続けて音楽評論家になる道も 卒業後に目指せる進路は、基本的には前ページの音楽系学部であげたものと同じです。とくに、音楽理論・音楽学に関連性の強い職業としては、音楽教師、音楽講師、音楽評論家などがあります。また、中学や●音楽学部 前ページでも触れましたが、音楽系の学部といえば、ほぼ「音楽学部」になります。現在の音楽界は、芸術音楽、民族音楽やポピュラー音楽、現代音楽、古楽、さらには電子音響や環境音まで、さまざまな音楽が相互に影響し合いながら複合的に展開しています。そうした音楽文化の多様化とグローバル化の中、音楽学部で音楽を学習・研究することは非常に有意義といえます。○音楽理論 音楽理論でまず学ぶことは、音程、リズム、ハーモニーなど音楽の基礎要素と、それらから成り立つ音楽の構成です。これらをしっかり理解したうえで、後述する「ソルフェージュ」をはじめ、「楽式論」「和声学」「対位法学」などを身につけます。これらはどの音楽分野に進んでも必要なものです。また、ピアノや各種楽器の構造や扱い方、演奏法なども「楽器法」という音楽理論の中で学びます。ピアノは、楽器の中でも基礎的なものとされており、他の楽器を習得する場合でも、別途ピアノの習得が求められます。○ソルフェージュ ソルフェージュとは、音楽理論に従って楽譜を読み、曲を理解する「読譜力」のことで、また、それを身につける訓練のことです。楽譜を読んで、また音を聴いて、すぐに歌唱や和音を譜面に書き写す「聴音」などを行います。音楽を学ぶうえで欠かせない技術であり、各音楽分野での創造性豊かな音楽表現につながる大切な学問です。○音楽史・音楽文化論 古代から現代まで、音楽がどのように発生し、変化してきたかを学びます。世界の地域により、「西洋〜」「東洋〜」「日本〜」などに分けることができま●芸術学部 芸術家の育成や、芸術学の研究を目的とした学部です。音楽を含め、美術やデザインなどの芸術分野全般を対象としています。そのため、音楽以外の分野についても複合的に学び、知識と経験をさらに深められる場合もあります。●芸術情報学部 音楽や舞台芸術などに加えて、各種映像系メディアなどにおける表現についても研究します。・作曲科・音楽応用学科〈MUSIC THEORY〉学問紹介読譜力「ソルフェージュ」は音楽理論を身につけてこそ 音楽大学・短期大学では、音楽の基礎的な要素や楽器の構造などについては「音楽理論」として学びます。「音楽学系」とは、音楽の歴史や文化との関係、その哲学的な研究など、人文学的な要素の強い学問のことを言います。音楽理論も「音楽学」の一分野です。また、研究対象や方法によって、美学、美術史、記号学、心理学、社会学、文化人類学、物理学など、ほかの学問分野からの影響を受けることがあります。 ひとくちに「音楽学」とは言いますが、そこで学ぶ内容は多岐にわたります。例えば作曲という分野ひとつでも「作曲」「作曲学」「作曲理論学」などに細分化され、特定分野を深く勉強していくことが可能です。また、コンサートやミュージカルなどの舞台芸術の運営について学ぶ「音楽芸術運営」など、普段はあまり馴染みのない学問まであります。こうした学術的な面からも音楽を学ぶことができるのが、音楽系学部ならではの特色です。 学問としての音楽は、歌を歌い、楽器を演奏するための理論研究から、作曲法や音楽を用いた表現法まで、音楽に関係する根本的な事柄すべてを学術的に研究していくことになります。大学の学部によっては、音楽デザイン学、音楽文化応用学、応用演奏学といったさまざまなカリキュラムが設定されているので、逆にどれを選んだらいいのか悩むところでもあるでしょう。将来、自分がどのような形で音楽と携わっていきたいかを十分に考えて大学を選ぶことが大切です。ここでは、音楽理論と音楽学で扱われる主な学問の内容について解説します。音楽をアカデミックに研究・考察するおもな音楽理論・音楽学系学部音楽理論・音楽学系学部

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