美術・造形系学びの内容 ●9美しさを融合させた工作物が工芸です。そのため、単に道具としての機能だけでなく、モノとしての美しさを道具に合わせてデザインするセンスが重要なのです。実用性と芸術性を兼ね備える作品を創り出すことのできる、高度なバランス感覚を養う必要があります。○建築・都市デザインおもな実習内容・絵画 ・彫刻 ・図面作成・モデル作成 ・材料 ・構造実験・各種デザイン・フィールドワーク etc. 毎日の暮らしに関わる建築は、景観や環境問題、防災など幅広い関連知識とデザインセンスが要求される分野です。人が自然と共生するための住環境の創造が、今日では重要です。ランドスケープデザイン(都市における広場や公園などの公共空間のデザイン)では、公共的な場所のデザインも含めた都市計画まで、総合的なデザインプランを創造する力が必要です。なお、建築・都市デザインについては、P10のデザイン分野解説ページでも触れていますので、そちらもチェックしてみましょう。○写真・カメラ操作 ・各種撮影・ポートレート ・画像処理 etc. 芸術作品としての写真は、人の心を動かす力を持っています。プロフェッショナルな撮り手が持つ高い美意識や世界観が作品に反映されるからでしょう。それは、美術品としての写真に限らず、例えば、広告や報道の写真でも同様です。ただ、商業的な商品としての写真をつくる場合には、カメラマンは、先端技術を活用したデジタル技術を習得することで、スピーディに処理する能力が必要になります。また、従来からの銀塩写真(デジタル写真の対立概念となるもの。画像の記録媒体がフィルム、乾板、印画紙であり、銀塩=ハロゲン化銀を感光剤に使用していることに由来)の技術や知識も必要になるでしょう。カメラを扱う技術や知識とともに、より広範な分野における理解や行動力が求められま デザイン分野では、イラストレーターをはじめ、さまざまなデザインをする仕事があります。また、美術表現、芸術表現を用いて総合演出を手掛けるアートディレクターも活躍の幅が広がっています。写真や映像表現の世界でも、作家として活動を続けていくことはもちろんのこと、商業的な分野の広告業界で活躍する道もあります。おもな実習内容す。○映像・映画おもな実習内容・撮影 ・編集 ・照明・絵コンテ ・CG ・作品研究・脚本研究 ・制作 etc. 映画やアニメーション、メディアアート(芸術表現に新しい技術的発明を利用したり、新たな技術的発明によって生み出される芸術)などの映像作品では、専門的な知識に加えて、さまざまな分野にわたる好奇心が欠かせません。テレビやWebなどは、一般の人との接点も多く、影響力が大きいため、真偽の判断をする能力も必須であるうえ、表現面では、自由に想像力を膨らませる感性を養成する必要もあります。映像の新たな可能性を切り拓くため、高い技術と知識、そして、豊かな感性を持つことが重要です。●造形学部 幅広い芸術分野のうち、主に造形美術をメインとして学ぶ美術系学部です。多くの場合、造形学以外にもデザインや絵画など、美術学部と学ぶ内容は共通していることが多いようです。●芸術学部/芸術文化学部 芸術家の養成、または芸術学の研究をおもな目的としている学部です。美術・造形分野だけでなく、デザインや音楽など芸術分野全般について学ぶことができます。●芸術工学部 技能や技術の総合学としての工学に、芸術という学際性を組み込み、摺り合わせていくことでの融合を目指した、人文・社会科学・科学技術にまたがる学際的複合領域の学部です。 作家として活動する場合も、企業や個人のクリエイターとして活動する場合も、プロデュース能力が必須です。社会に発信するためには、さまざまな方法でアピールすることができなければならないのです。 個人の作品を紹介するホームページやポートフォリオの作成も、クリエイティブな仕事に就くには重要視されます。【資格・進路】自身の作品をプロデュースする能力も大切 美術・造形系の学問を学んだ場合の進路は、さまざまな分野にわたっています。作家として、絵描きや彫刻家として生涯作品を作り続けるのはもちろんですが、資格を取得することで、美術や工芸の教員、美術館の学芸員になることも可能です。また、最近では、アートマネジメントという、芸術全般の支援をする仕事も増えています。
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