10【資格・進路】薬剤師のほか、卒業後の進路は幅広い! 6年制を卒業した場合、資格取得後に病院・薬局・ドラッグストアなどで薬剤師として活躍できます。医薬品の調剤、患者に対する医薬品の情報提供、服薬後の有効性や安全性のモニターを行うことなどが主な業務です。薬剤師と薬学分野の研究者を養成する 薬学系では、薬学の基礎分野と専門分野を中心にさまざまな知識を身につけ、地域社会に貢献できる人材を目指します。学ぶ内容は、薬剤師を目指す6年制の場合「免疫学」「薬理学」「衛生化学」「臨床生化学」などの医療薬学全般で、5年次以降に実務実習が課せられます。4年制の場合は、研究職を目指す生命科学系分野と医薬品創製を目指す創薬化学系分野に大別され、おおむね4年次に研究室へ配属されます。 薬剤師は病棟や調剤薬局で直接患者と接しながら薬剤に関するケアを行うため専門知識の他に、医療人としての心を学ぶ必要があります。 インフルエンザや手足口病などの治療薬やワクチンに対する期待が高まる中、薬学系学部の人気は今後上昇するものと予想されます。 薬剤師としてではなく、薬品メーカーで医薬品の開発業務や製造販売業務に携わる道もあります。医薬品以外にも、化粧品メーカーでの化粧品の製造、食品メーカーでの健康食品の製造といった場で広く活躍できます。●薬学部 薬学の知識はもちろん、医学知識や教養も身につけ、地域社会に貢献できるよう学んでいきます。高度化する医療に対応できる知識と技術を学び、医療経済にも精通した人材になることを目指し、専門的な知識を身につけます。○生命科学 細胞・分子レベルで生命の営みを研究し、人々の暮らしや産業に役立てる学問です。主に生命・食・環境などの課題を解決することを目的としています。バイオテクノロジーを活用して細胞・分子生物学の視点から研究したり、医学・薬学の視点から研究したりと、大学ごとに取り組み方が異なる点が特徴です。 また、生命を対象とするため、学ぶ側の倫理観も求められます。薬学部においては、基本分野である生物学・化学などの基礎知識を固めながら、生命科学概論を学んでいきます。○衛生薬学 各種疾病をさまざまな角度から原因究明し、化学物質の健康への影響を研究して疾病予防につなげる学問です。栄養素や体内物質、環境化学物質などを対象に、病因を探っていきます。薬学の中心は薬をつくり、作用機序を解明し、正しく有効に使うことですが、病気を予防する観点で学んでいく衛生薬学も欠かせません。○バイオインフォマティクス 生物学のデータを情報科学の手法を用いて解析する学問で、「生命情報科学」といわれることもあります。薬学・薬学部おもな学 部・薬学科 ・薬科学科 ・臨床薬学科・医療薬学科 ・創薬科学科・生命創薬科学科 ・医療薬物薬学科・生命薬科学科 ・健康生命薬科学科・医療衛生薬学科 etc.おもな学 科部においては、生物学と情報科学それぞれの知識をバランスよく身につけ、薬学に応用する力を養います。 薬学部には6年制と4年制があり、薬剤師国家試験受験資格を取得したい場合は、6年制の学部を選ぶ必要があります。4年制の学部は、薬学研究の道を志す学生に向いています。6年制も4年制も共通した分野を学ぶことになりますが、多くの場合、高学年になるにつれて、学ぶ分野が異なってきます。 大学によって両方を設置していることもあれば、どちらか1つだけの場合もあります。【6年制】 高学年になると、薬の使い方などの医療薬学科目を学びます。薬剤師国家試験を意識した必須科目を学修していき、実務実習事前学習もあります。 また、節目となる4年次には「薬学共用試験」を受験します。実習に参加する知識・技能・態度が備わっているかどうかを判定する、全国共通の試験です。これに合格すると、病院・薬局などの医療機関で約半年の実務実習に参加する流れになります。【4年制】 高学年になると、生命科学・創薬科学系のより専門的な学問を中心に学びます。大学によっては医療系の分野を学修することもあります。6年制と異なり、共用試験・国家試験・実務実習などの必修カリキュラムがないため、選択科目を比較的自由に決められるのが特徴です。 4年制を卒業した場合、大学院修士課程に進学し、大学や製薬会社、化粧品会社、食品会社などで研究者として活躍することができます。また、製薬会社のMR(医薬情報担当者)や化粧品会社・食品会社の営業職、資格取得後には薬局の登録販売者などの道もあります。おもな専攻カリキュラム【基礎分野】・物理学 ・有機化学 ・生物学 ・生命科学 ・基礎医学【専門分野】・創薬化学 ・薬理学 ・医療薬学 ・衛生薬学・バイオインフォマティクス(生命情報etc.科学)〈pharmacy〉学問紹介「薬」と「健康」のスペシャリスト各種治療薬やワクチンにかかる期待おもな薬学系学部薬学系学部
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