学びのすすめNo8_2025
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14どの分野も専門知識と高度な技術が求められる 医療技術学系は、「医療技術系」と「リハビリテーション系」に大別されます。卒業後、医療系の各専門職を目指すために学んでいくため、共通分野の学問もあれば専門分野の学問もあり、学科(課程)ごとに学習内容に違いがあります。 「医療技術系」は、臨床検査技師・臨床工学技士・診療放射線技師を目指す人たちが学ぶ分野です。一方で、「リハビリテーション系」は、理学療法士や作業療法士、臨床心理士、はり師・きゅう師、柔道整復師などを目指す人たちが学ぶ分野です。いずれも専門的な知識と高度な技術が必要で、特定の学科(課程)を卒業すると受験資格を得られ、試験に合格すれば専門職に就くことができます。etc.●医療技術学部 「医療技術系」と「リハビリテーション系」の両方を兼ね備えた学部です。大学によって設置している学科(課程)が異なるため、学ぶ分野は医療技術系が多い場合もあれば、リハビリテーション系が多い場合もあります。○生体医工学 医学・生物学と工学が融合した学問です。人体の仕組みなどの医学分野と、機械・電気・電子などの工学分野を同時に学修していきます。生命現象や病気のメカニズムの解明に役立つほか、近年高度化する医療機器の開発や改良に対応していくためにも、重要な学びだといえます。○救急救命学 救急救命学は、医療技術者を目指す場合にも重要な学問です。救急救命処置に関する知識と技術を学び、輸液(点滴)・気道確保・呼吸管理・心拍回復など、初期治療に関する専門知識、および技術を修得します。大学や学部によっては、救急救命士の受験資格を取得できるところもあります。●医療保健学部 チーム医療に欠かせない医療専門職を目指すため、生物学などの基本分野をはじめとして、医学の専門分野について幅広く学びます。 医療技術学部と似ている学部ですが、医療保健学部は看護科がある大学もあり、より福祉に力を入れている傾向があります。医療技術系の学科が多く、リハビリテーション系の学科が少ない点も特徴です。●リハビリテーション学部 リハビリテーションのプロを目指し、専門知識と技術を身につけていきます。加えて、患者とコミュニケーションを取る力も求められるため、地域交流や実習での実践的な学びもあります。・臨床検査技術学科 ・放射線学科 ・歯科技工学科 ・リハビリテーション学科 ・臨床心理学科・理学療法学科 ・作業療法学科・視能矯正学科・視機能療法学科 ・言語聴覚学科・言語聴覚療法学科 ・義肢装具学科・柔道整復学科 ・鍼灸学科 ・救急救命学科 ・医療技術学部・医療保健学部・リハビリテーション学部おもな学 部おもな学 科 医療技術学部と比較するとリハビリテーション系の学問が中心となり、多くは理学療法士や作業療法士を目指す学科を設置しています。■おもな取得資格 医療技術学系の学部に設置される学科は多岐にわたり、自分が何を学びたいか、どのような資格を取得したいかを考え、適した学科を選択することが大切です。大学によっても異なりますが、医療技術学系の学部で取得できる資格には以下のようなものがあります。それぞれの学びの内容をみていきましょう。●臨床検査技師 「微生物学的検査」「血液学的検査」「病理学的検査」「生理学的検査」などの臨床検査に必要な知識と技術を学びます。卒業後は、多くの人が病院に勤めます。一方で近年では、臨床検査を一手に引き受ける検査センターや各都道府県の衛生研究所、一般企業の研究室などへ就職する道もあり、活躍の場は広がりをみせています。●臨床工学技士 医学の専門知識のほか、工学の専門知識や医療機器・電子装置の扱い方など、さまざまな知識と技術を身につけていきます。血液透析装置・人工心肺装置などの操作、運用管理、保守点検など重要な仕事を担うため、細かい専門知識が求められます。卒業後は、多くの人が専門技術者として各医療機関で活躍しています。・診療放射線技術学科・歯科衛生学科・臨床工学科etc.おもな専攻カリキュラム・病理学・生理学・微生物学・救急救命学・衛生学・生化学・生体医工学・各専攻の実習〈medical technology〉学問紹介臨床系・リハビリをはじめ多種多様なジャンルが集まるおもな医療技術学系学部医療技術学系学部

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