学びのすすめNo8_2025
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15【資格・進路】それぞれの専門技術職以外にも進路は多岐にわたる 医療技術学系の学部を卒業した後は、医療専門技術職に就くケースがほとんどです。職種によっては、卒業と同時に国家試験の受験資格を取得できるところも多く、国家試験に合格し、資格取得後に就職がスムーズに決まるというメリットもあります。そ●診療放射線技師 放射線を利用し、医師や歯科医師の診断・治療を支援するための学問を学びます。アルファ線、ベータ線、ガンマ線、X線など、さまざまな放射線について深く理解することが目標です。卒業後は、総合病院や検査センター、保健所などへ進む道があります。また、医療機器メーカーで研究・開発部門に所属したり、原子力工業分野で活躍したりする人もいます。●歯科衛生士 歯科疾患の予防と口腔衛生の向上を図ることを目的として、人々の歯・口腔の健康づくりをサポートする国家資格の専門職です。活動の場は、歯科診療所や病院が中心ですが、生涯を通じて歯の健康づくりや口腔ケアを支援するため、保育所・幼稚園、学校、保健所・市町村保健センター、介護老人保健施設などに広がっています。●歯科技工士 歯科医療の一端を担う医療技術専門職です。歯科医師の指示書にしたがって、入れ歯、歯の被せ物、歯の詰め物、矯正装置などの作成や加工、修理を行います。科学的知識に裏打ちされた丁寧で正確な技術が必要であることから、海外で活躍できる職業の一つです。歯科医院、研究所、独立開業など、さまざまな活躍の場があります。●理学療法士 ケガや病気で運動機能が低下した人の能力回復・維持を目的とした学問を中心に扱います。医学や運動療法のほか、温熱・電気など物理的手段を用いた治療法も実習形式で学びます。 卒業後は、病院や障害者福祉センター、行政サービスなどに携わります。プロ・アマチュアスポーツにもニーズがあり、幅広いフィールドで活躍が可能です。●作業療法士 人々の身体・精神機能の回復を図るための学問を学びます。患者に医学的治療、指導、訓練をする仕事なので、コミュニケーションスキルも必要です。加えて、食事・トイレ・入浴などの日常生活動作訓練、ゲーム・音楽・手芸・園芸などの作業で機能回復を図るための学問も学びます。医学だけでなく、福祉分野の知識も必要とされる資格です。卒業後は、作業療法士として病院、介護施設、障害者支援施設などで働くことができます。 最近は、病院の精神科や精神保健福祉センターなどで作業療法士を必要とするところも増えており、活躍の場が広がっています。●言語聴覚士 人体の構造や障害の種類などに関する幅広い知識が求められます。治療対象は、難聴・発音発声の障害・失語症など、コミュニケーション機能に障害を持つ人や、飲む・食べるなどの機能に障害がある人です。これらの障害において、乳幼児から高齢者まで幅広い年代のサポートを行います。 大学では、検査・指導・訓練で身体機能を向上させ、障害を回復させる方法を学びます。障害の原因は脳疾患や吃音(きつおん)など多岐にわたるため、それぞれの高度な専門知識が必要です。卒業後は、病院や福祉施設などで働くことができます。●あん摩マッサージ指圧師 人体にあるツボや筋肉、神経について学び、手の平で刺激を与えて血行を促進する治療法を習得します。また、病気の予防、健康の維持と促進、疲労回復および精神的な不安を和らげるために必要な施術などを学びます。卒業後は、独立開業をする人が多い職業です。●鍼(はり)師・灸(きゅう)師 多くの大学では、はり師・きゅう師、どちらの資格も同時に取得できる学科を設けています。内臓異常や肩凝り、腰痛を鍼と灸で施術する医療技術を習得し、人体構造やツボについて専門的に学びのほか、大学院などで研究を続けたり、医療業界や介護福祉関連の一般企業へ勤めたりするケースもあり、進路は多岐にわたります。ます。鍼治療も灸治療も東洋医学なので、薬品を用いない医学を詳しく学修する点が特徴です。卒業後は、鍼灸整骨院などで働く人もいれば、独立開業をする人もいます。●柔道整復師 薬の投与や外科的治療を行わず、出血がない骨折・脱臼・捻挫・打撲などのケガを治療する職業です。柔道から生まれた柔道整復術について学び、ギブスを使わず、徒手整復と患部の固定、後療法で回復させていく技術と知識を習得します。卒業後は、医療機関やリハビリテーション施設などで働く道があります。●義肢装具士 義肢と装具の基本的な知識、器具の構造、使用方法などを詳しく学びます。また、交通事故・労災・先天的要因など、さまざまな理由で義肢装具が必要な患者さんをどうケアしていくべきか考察し、得られた知識を実践に生かします。 卒業後は、義肢装具製作所、リハビリテーション施設などに勤務するほか、独立開業をする道もあります。●視能訓練士 視覚障害や眼科に関する疾患、医学的治療などについて学習し、視力・視野・色彩などを検査して、基礎データを作成する方法を理解します。また、視覚機能の回復のためにプログラムを立て、訓練する方法も習得します。光学機器を取り扱うことになるため、それらの操作技術を身につけることも重要です。卒業後は、眼科のある医療機関などで活躍することができます。●救急救命士 疾病者が医療機関に搬送されるまでの間に救命処置を施す職業です。一般的な医療活動に加え、医師からの指示を受け、救急医療行為を行う場合もあります。消防署の救急隊員として勤務する場合が多いです。

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