学びのすすめNo8_2025
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音楽療法士をめざせる、国内の看護・医療系大学では珍しい学科です。音楽療法士は、音楽を通じて子どもの発達促進や高齢者の認知症予防、動作や発語が困難な患者さんのリハビリテーションなどを行う仕事で、音楽・保育・福祉系の学部で学ぶのが一般的です。柔道整復師をベースに、中学・高校の保健体育教師、アスレティックトレーナー、健康運動指導士、CSCSなど、4年間で多くの資格を取得することができます。柔道整復師の資格を持った体育教師やトレーナーなど、卒業後の幅広い活躍が見込めます。義肢装具士の育成にとどまらず、義肢装具士が必ず身につける「器具を人の身体に選び、適合させる技術」を活用し、車いすや歩行器をはじめとする福祉用具の相談員やプランナー、整備士、福祉住環境のコーディネーターといった専門職も育成します。近年、東京などにある本部で看護学部を展開しつつ、地方都市にも新たに同系統の学部を新設する大学が増えています。東京医療保健大学では、千葉県のほか、和歌山県や東京都立川市にもそれぞれ看護系学部を展開し、将来各地域の医療を支える若者を育成しています。痛み緩和や術後の治療、疾病予防から日常の健康促進まで、漢方薬はとても高い効果を上げています。そんな漢方を現代医学のなかに活用するための最良な手法を分析・研究します。将来は漢方治療のある病院や漢方薬を処方する調剤薬局で働く漢方のスペシャリストを目指します。薬と疾病、健康と生命科学などに関連した、多彩な分野で活躍できる人材の育成を目的としています。新薬臨床試験、健康化粧品、健康食品開発の4つの探究コースをもとに科目を組み合わせ、自分オリジナルのカリキュラムで学ぶことができます。医学系の中でも心理支援者の育成を目的としており、2018年より認定された新しい国家資格「公認心理師」の取得を念頭においています。精神疾患や発達障害、ストレスやPTSDなど、現代社会で増加・複雑化している人のこころの問題を扱います。治療を受ける側の人間性を尊重することに重点を置き、道徳・倫理に裏付けされたケアの知識・技術を学びます。学部内に看護学科のほか、鍼灸学科や柔道整復学科などを設置する大学もあり、それぞれの国家試験で合格することを目指します。保健・医療・福祉に関するデータの意味を理解し、それらを医療健康データとして統合し、分析する能力を身につけます。医療健康データ環境を構築し、AIなど最新の手法を駆使してデータを分析し、課題解決用プロジェクトのマネジメントができるようになります。18〈武庫川女子大学〉〈北海道医療大学〉〈新潟医療福祉大学〉〈弘前大学〉注目の学問・学びのスタイル医工連携 医学と工学の連携で医療イノベーション テクノロジーの進化により、近年、医療分野ではICTを取り入れて効率化を図る「スマート医療」や、PCのビデオチャット機能などでオンライン診察を行う「遠隔医療」といった新しい技術が次々と登場しています。こうした流れを支えているのが、「医工連携」と呼ばれる、医学と工学を連携して新しい製品や技術を生み出そうという取り組みです。 大学においても、データサイエンス系の学科など、医工連携を意識した学部・学科が近年多く開設されています。特に注目されているのが2024年10月に行われる東京工業大学と東京医科歯科大学の合併で、新たに誕生する東京科学大学は、医工連携分野でトップ校に並ぶ可能性が高いと見られています。医療健康データサイエンス学科〈鈴鹿医療科学大学〉健康生命薬科学科作業療法学科整復医療・トレーナー学科〈SBC東京医療大学〉義肢装具自立支援学科心理支援科学科

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