つくにはBooksNo1_2025
9/112

Special interview ★ Takumi Shimadaっているとわかった時は「よし!」と思います。この仕事は、自分のしたことが誰かの目に留まって感謝されるということはありませんが、自分たちが夜通し頑張った結果、今日も乗客のみなさんが何事もなく電車に乗って通勤、通学、遊びに行くことができる。その事実に、達成感を覚えます。―大変さを感じる時は? 夜間の仕事は必ず朝4時半までに終わらせないと始発電車に支障が出てしまうので、そこはシビアですね。かなりギリギリになってしまったこともあります。逆に、昼間のうちは電車が走っていない合間に仕事をしないといけなくて、ここ(池袋周辺)は日中だと電車が3分に1本来る過密地帯なので、もし撤収が遅れて電車に当たったら、当たらずとも電車を止めてしまったら…といつもすごく緊張しながら作業しています。―今までのお仕事で特に印象深いことは? この間、レール交換の作業時に初めて一人ですべての作業を任せてもらえたことです。現場を調査し、図面を作り、交換用のレールを確保し、運び、交換し、整理するという一連の流れを、班長や主任に相談しながらやらせてもらいました。作業の中で自分にまだまだ足りていない部分を自覚しつつ、それでもまる5年間働いて、やっと少しずつ自分のしている仕事がわかってきたなあと感じています。改善できるところはまだまだあるので、今後も頑張っていきたいです。「詳しくないから仕事につけない」なんてあきらめないで就職活動は、自分は何が得意で、何に夢中になれるのかを確認することが一番大事だと思います。そのためにもいろんな人の話を聞いて、仕事についてたくさん調べて、時には興味ある分野以外の人の話も聞いて、頑張ってください。そして、鉄道は好きだけど、詳しい知識がないから鉄道関係の仕事につけない…と悩んでいる人がもしいたら、あきらめないでください。私も当時は普通の高校生で、この仕事につくまで鉄道のことは全然知りませんでした。鉄道業界をめざす高校生へのメッセージ※クレペリン検査…企業の採用試験などに使われる適性検査の一種。時間内に一桁の足し算を連続して行い、結果からその人の性格や適性を判断する。電車好きの先生が、この仕事を教えてくれた―このお仕事を選んだきっかけは? 高校3年生の就職活動を始める時期には、漠然と「インフラを支える仕事がしたい」という思いだけあって、鉄道の仕事にはまだ関心がありませんでした。そんな時、就職について相談に乗ってくれた先生が電車好きだったこともあって、線路のメンテナンスという仕事を教えてくれました。それから自分でもその仕事について調べて、改めて興味を持ち、やってみようと決めました。―入社に備えてどんなことをしましたか? 特別に専門的な勉強はしませんでした。クレペリン検査(※)や面接の練習、一般教養を含めた試験勉強をしました。5年間働いて、少しずつわかってきた「仕事」―お仕事で嬉しくなる時はいつですか? 巡視をして、線路に不具合を見つけて、作業計画を立てて、補修や交換をして、それから電車に乗って線路の状態を確認して、ちゃんと直▲保線作業の様子

元のページ  ../index.html#9

このブックを見る