つくにはBooksNo7_2025
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たなか けいすけ▶大学卒業後、セキュリティソフト「ウイルスバスタークラウド」などで著名な、トレンドマイクロ㈱に入社。製品のサポート業務を経て、中央省庁担当のアカウントマネージャとしてセキュリティ監視、インシデントレスポンス、対策提言を実施。マネジメント業務を経て、インシデント対応支援サービスを主管。―仕事の内容について教えてください。 まず、「インシデント」という言葉をご存知でしょうか? 例えば、ある企業がサイバー攻撃にあい、顧客情報が漏洩したとします。そうなると、企業のイメージに傷がついたり、対外的な発表が必要になったりする場合がありますよね。顧客への補償の問題もあります。もちろん感染原因の調査や、再発防止策の立案も行わなくてはなりません。こうした一連の作業のことを、「インシデント対応」と言います。私が主に担当しているのは、この一連の流れの中でも、感染原因の調査や、マルウェアと呼ばれる不正プログラムの解析、そして業務復旧に向けた支援です。 他にも、まだインシデント被害にあっていない企業への提案活動に同行して、セキュリティに関するアドバイスも行っています。私が同行できない場合もあるので、こうした知見を資料にしたり、社内外で勉強会を開いたりすることもあります。また、セキュリティの大切さを多くの人に知っていただけるように、講演や本を出版するのも仕事の1つです。―仕事のやりがいや面白さは? 困っているお客様に、具体的な解決策を提示できることですね。私の担当しているポジションだと、お客様から直接感謝の声をいただけるので、それもモチベーションになっています。そして、仕事で得た経験や知識を、被害を未然に防ぐために活用できることにもやりが自分の特性を深く理解してチームに貢献する多面的なスキルで顧客を守るセキュリティ専門家インシデント対応のスペシャリストに聞きましたトレンドマイクロ株式会社インシデントレスポンスチーム所属田中 啓介 さん

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