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ポートフォリオ制作方法

第4部

6.気を付けておきたいこと
①ポートフォリオ自体が作品の1つ
②団体作品にご用心
③繰り返しアップデートする
7.よくある質問
8.参考資料

6.気を付けておきたいこと

①ポートフォリオ自体が作品の1つ

「ポートフォリオは、作品を一か所にまとめたもの」と捉えている人は多いですが、実はポートフォリオも作品の1つです。以下で、制作に対する気持ちの違いと印象について見てみましょう。

「作品を一か所にまとめたもの」と考えている人のポートフォリオは、これまでの作品をとりあえずかき集めたような雑な仕上がりになってしまいがちです。個々がバラバラと並んだ状態で一貫性がなく、将来に対する夢も目標も見えてきません。一方「ポートフォリオも作品の1つ」と考えている人のポートフォリオは、厳選された作品のみが掲載されています。そのため、受け手に作り手の想いや熱意が伝わりやすく、印象の良いポートフォリオになります。

「ポートフォリオは単なる作品集」「テキトーに掲載しておけばいい」と思っている人は要注意です。必要以上に時間をかけることはありませんが曖昧な気持ちで制作をしていると、マイナスな気持ちがそのままポートフォリオに影響し、誤ったイメージを相手に伝えてしまうことになります。ポートフォリオは自己アピールのための1つのツールであり、自分そのものであることを忘れてはいけません。

②団体作品にご用心

クラブ活動やイベントなど複数人で制作した作品の中には、ポートフォリオに掲載しても評価されないものがあります。例えば、先輩から後輩へ歴代の生徒が引き継いでいくような作品は、その人のオリジナル性がほとんどなく、個人のセンスや技術力を把握できないことが多いため、掲載は避けるべきです。

どうしても掲載をしたいのであれば、自分がどの部分を担当したのかを明らかにしなければなりません。当然ですが、作品数を稼ぐ目的だけで団体作品を掲載してはいけません。大切なのは作品のこと、自分のことをしっかりと伝えることができるかどうかです。

また、団体で学校やコンテストに提出をした作品は共同制作者から掲載の許可を必ず得ておきます。無断で掲載したり、事実とは異なる作品紹介をしたりすると、後でトラブルの元になるからです(受験生本人が制作したことを証明する「制作証明書の貼付」を指示する学部や学科もあるため、各学校のHPや募集要項などを確認しましょう)。

③繰り返しアップデートする

ポートフォリオは一度制作して終わりにするのではなく、家族や友人、学校の先生、美術に関心のない人にも見てもらいましょう。もらった改善点やコメントを積極的に取り込んでいくことで、全体のクオリティを高めていくことができるだけではなく、誰にでもわかりやすいポートフォリオを目指すことができます。

また、最初から完璧を目指して凝り過ぎないこともポイントです。周囲からもらったアドバイスや意見を参考に、全体の構成を大きく変更するということになると、再度制作時間と労力が必要になります。また、人によっては大きな精神的ショックを受けてしまい、受験に対するモチベーションが下がってしまうこともあります。ポートフォリオが7~8割程度完成したら周囲の人からコメントをもらい、改善を重ねていくことで理想のポートフォリオを完成させていくようにしましょう。

7.よくある質問

Q

制作はいつから開始すれば良いですか?

A

作り始める時期に決まりはありません。なるべく早く始めて、修正作業や作り直しに時間を多くかけるべきです。経験を積めば積むほど、質の高いポートフォリオを制作することができます。

Q

学校の課題しかない場合は、自主制作の作品も作るべきですか?

A

あった方がアピールできます。学校の課題や授業で作った作品だけを掲載するよりも、自主的に取り組んだ作品を載せている人の方が、積極性が高く、能力も高いと判断されます。

Q

プロフィールは詳細にするべきですか?

A

最大限にアピールしたいのであれば、どんな細かなことでも書いた方が良いです。反対に、自己アピールにマイナスな情報は書かないようにしましょう。

Q

グループで制作した作品は掲載しちゃだめですか?

A

自分が担当した部分が明らかに分かるようにしておけば問題ありません。他人と自分が担当した部分が曖昧で明確に区分できない作品は、掲載しても評価されない場合があるため注意が必要です。(受験生本人が制作したことを証明する『制作証明書の貼付』を指示する学部や学科もあるため、各学校のHPや募集要項などを確認しましょう。)

Q

作品は全て掲載するべきですか?

A

その必要はありません。自己アピールをするために効果的な作品のみを厳選します。作品数が少ない場合は、少ない中でうまく自分自身を紹介できるように工夫をしましょう。

Q

提出したポートフォリオは返却されますか?

A

明記されていない場合は返却されないことが多いです。どうしても手元に残したいのであれば、提出用とは別に自分用のポートフォリオを準備しておきましょう。

Q

ノンブル(ページ数)は必須ですか?

A

ポートフォリオの場合、ノンブルは必須ではありません。頻繁にページの差し替えや順番を変更するのであればノンブルは省略する方が良いですが、(見返しや扉を設けた)正しい装丁を行うならばノンブルは付けた方が良いです。

Q

フォントは何を使えば良いですか?

A

ポートフォリオの雰囲気、世界観にあったものを使います。迷った場合はデザイン性よりも読みやすさを優先し、文字がつぶれて分かりにくくなってしまうようなフォントは避けましょう。また、フォントの種類は多すぎないように注意し、全体で統一感が出るように意識します。もちろん、手書きでも問題ありません。

Q

最低何ページ必要ですか?

A

ポートフォリオの枚数、厚みは重要ではありません。自分をうまくアピールするために最適なページ数は人によって異なるため、10ページ程度の人もいれば50ページ近く使用する人もいます。

Q

デッサンは掲載した方が良いですか?

A

優れたデッサンは観察力や表現力のスキルが備わっていることを示すことができるため、自信がある場合は掲載するべきです。逆に自信がない場合、中途半端な作品しかない場合は相手にマイナスな印象を与えてしまうため、掲載は避けた方が良いでしょう。

Q

紙ではなく、データで提出しなければならないのですか?

A

WEB版のポートフォリオ制作に特化したツールがあります。MATCHBOXは、WEBとプリントのポートフォリオを無料で作ることができます。Strikinglyは、豊富なテンプレートやアイコンが揃っており、レイアウトやデザインにこだわりのある制作者にはぴったりです。Portfolioboxは、ポートフォリオ専門のサイトとして世界中に利用者がいるため、信頼性と利便性が高いツールだと言えます。この他にもWEBポートフォリオが作れるツールは多くあります。それぞれ機能や使いやすさが異なりますので、自分の希望に合ったものを選んで使用しましょう。

8.参考資料

エムディエヌコーポレーション「クリエイティブ業界を目指す人のためのポートフォリオ見本帳」(著者:尾形美幸)
東京工芸大学芸術学部デザイン学科「総合型選抜制作課題の手引き」
https://www.t-kougei.ac.jp/static/file/aoguide_design2020.pdf

東京工芸大学芸術学部「総合型選抜(Ⅰ期・Ⅱ期・Ⅲ期)入試情報『ポートフォリオ』とは?」
https://www.t-kougei.ac.jp/admission/arts/ao/portfolio/

東京造形大学造形学部美術学科「絵画専攻領域Webサイト」
http://painting.zokei.ac.jp/ao_sankou/

東京造形大学「ポートフォリオ作成要領」
https://www.zokei.ac.jp/wp-content/uploads/2020/06/2021portforio.pdf

嵯峨美術大学・短期大学「受験生ガイド」
https://www.kyoto-saga.ac.jp/examinee/index/

実用日本語表現辞典「ポートフォリオ」
https://www.weblio.jp/content/%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%AA%E3%82%AA

横浜美術学院「推薦入試って!?STEP2『ポートフォリオ制作1』」
https://e-s-w.com/recommendation/step2/

横浜美術学院「推薦入試って!?STEP3『ポートフォリオ制作2』」
https://e-s-w.com/recommendation/step3/

横浜美術学院「推薦入試って!?STEP4『ポートフォリオ制作3』」
https://e-s-w.com/recommendation/step4/

PARTNER「『ポートフォリオづくりの基本って?』美大生のためのポートフォリオ勉強会レポート(1)」
https://partner-web.jp/article/?id=1667

PORTFOLIO by amanaimages「ポートフォリオ作りで押さえておきたい大切なこと!!最前線のクリエイターが語り合う『ポートフォリオナイト』」
https://portfolio-ai.com/portfolio-night

MontBlanc.「載せる作品が少ないと悩んでいる人に読んでほしい、魅せるポートフォリオの考え方。」
https://montblan9.net/archives/3194

note「ポートフォリオをデザインする前に|構成・表紙・紙の種類で差をつけよう」
https://note.com/smartcamp_design/n/n1133c1088609

note「はじめてのポートフォリオの作り方|未経験者向けに紙・PDF・Webでのポイントを解説」
https://note.com/smartcamp_design/n/na2e73ba548a8

Offers「ポートフォリオはどう作る?伝えるべきことや作成のポイントまとめ」
https://offers.jp/media/design/a_772

jittodesign blog「印刷通販を利用してポートフォリオ制作」
https://jittodesign.org/portfolio-02-402/

株式会社ブックフロント「製本直送.com」
http://www.seichoku.com/

株式会社デジカル「Isshiki」
https://www.digical.co.jp/

キンコーズ・ジャパン株式会社
https://www.kinkos.co.jp/

株式会社プリントパック
https://www.printpac.co.jp/

株式会社グラフィック
https://www.graphic.jp/
AMTワールド「スキャナーの種類と特徴」
https://www.amtworld.co.jp/hpgen/HPB/entries/3.html

OFFICE110「複合機(コピー機)のADFとは?他の機能と組み合わせてさらに便利に!」
https://office110.jp/copy/knowledge/function/adf-combination/

創作応援サイトCLIP STUDIO「枠線、主線のジャギーについて」
https://www.clip-studio.com/clip_site/support/request/detail/svc/54/tid/67932

株式会社イシダ印刷「本の扉(とびら)って何?役割や使い方のコツ、価格~オプション加工について知ろう(1)~」
https://www.lowcost-print.com/column/%E6%9C%AC%E3%81%AE%E6%89%89%EF%BC%88%E3%81%A8%E3%81%B3%E3%82%89%EF%BC%89%E3%81%A3%E3%81%A6%E4%BD%95%EF%BC%9F%E5%BD%B9%E5%89%B2%E3%82%84%E4%BD%BF%E3%81%84%E6%96%B9%E3%81%AE%E3%82%B3%E3%83%84%E3%80%81/

新潮社「本作りの基礎知識」
https://www.shinchosha.co.jp/tosho/book_basic.html

意味解説ノート「『キャプション』とは?意味や使い方を解説!」
https://meaning.jp/posts/492

デジタル一眼レフカメラ初心者入門講座「白飛びと黒つぶれ」
http://diji1.ehoh.net/contents/shirotobi.html

Photo Partners「点光源と面光源について」
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