ポートフォリオ制作方法
学科別の掲載作品例
単なる作品集ではなく、志望学科に適したスキルや思考を表現することが合格への鍵となります。
学科ごとに求める能力(例:デザイン学科なら構成力、日本画なら筆致の繊細さ)が異なるため、それに沿った作品を提示することで評価が高まります。
自分の興味や強みが学科の方向性と合致していることを示せれば、入学後の成長が期待できる学生として有利になります。
裏を返せば、まったく関連性のない作品ばかり掲載しても、採点する側にあなたの適性が伝わりづらい結果となってしまう、ということを忘れずに。
以下、各学科別に適した作品例を挙げ、高校生でもチャレンジできる具体的な例や制作ポイントを提示します。
① 絵画学科(日本画・油画・版画など)
求められるスキル:観察力、描写力、表現力
ポートフォリオ作品例:
- デッサン:静物(瓶や果物など)、人物(クロッキーや肖像画)、風景(都市や自然)
- 絵画作品:油彩・水彩・アクリルなど複数の画材を使ったもの
- オリジナル作品:テーマ性やストーリー性を意識した表現(例:「時間の流れ」など)
ポイント
- 基礎力(デッサン)は必須
- 独自性のある作品を加えると印象が良い
- 日本画志望なら墨や岩絵具を使った作品、版画ならリトグラフや木版画の経験もあると良い
② デザイン学科(グラフィック・テキスタイル・プロダクト)
求められるスキル:発想力、構成力、色彩感覚
ポートフォリオ作品例:
- 課題制作:ポスター(社会的メッセージを込めたもの)、ロゴデザイン、パッケージデザイン
- プロセスの提示:スケッチ、配色案、最終完成品の過程をまとめる
- オリジナルデザイン:実用性と創造性を兼ねたアイデア作品(例:「未来の文房具デザイン」)
ポイント
- デザインの「意図」を説明できるように
- 色彩やレイアウトの研究を深める
- デジタル制作(Adobe Illustrator・Photoshop)が使えると有利になる場合も
③ 映像・アニメーション学科
求められるスキル:ストーリーテリング、構成力、映像編集
ポートフォリオ作品例:
- 絵コンテ・ストーリーボード:短いストーリーの流れを視覚的に表現
- キャラクターデザイン:設定画やポーズ集、表情のバリエーション
- 背景画や静止画:アニメ・映像作品のワンシーンを描く
ポイント
- キャラクターだけでなく、背景や構図も重要視される
- 動きを意識した作品(ジャンプや走るポーズの連続画)も良い
- 実際に短いアニメーションや映像を作り、リンクやQRコードで提示するのも◎
④ 彫刻学科
求められるスキル:立体構成力、造形力、空間認識
ポートフォリオ作品例:
- 立体作品の写真:正面、側面、背面の写真を提示
- デザインスケッチ:構想段階のアイデアスケッチや設計図
- 空間インスタレーション:大型作品や環境との関係を示す写真
ポイント
- キャラクターだけでなく、背景や構図も重要視される
- 動きを意識した作品(ジャンプや走るポーズの連続画)も良い
- 実際に短いアニメーションや映像を作り、リンクやQRコードで提示するのも◎
⑤ 建築学科
求められるスキル:構造設計、空間設計、スケール感
ポートフォリオ作品例:
- 建築パース画:手描き or CGで制作(例:「未来の住宅」)
- 模型写真:建築模型を作り、異なる角度から撮影
- 設計図:断面図・平面図・立面図を正確に描く
ポイント
- 手描きとデジタルの両方を組み合わせると◎
- **「この建築はどんな人のためのものか」**を考えて設計する
- CADソフト(SketchUp, AutoCAD)に触れておくのも有利
⑤ 写真学科
求められるスキル:構図力、光の扱い、コンセプトメイキング
ポートフォリオ作品例:
- 写真シリーズ:「変化」「時間」「孤独」などテーマを設定
- 編集技術の活用:PhotoshopやLightroomを使った色補正
ポイント
- 「なぜこの写真を撮ったのか?」を説明できるように
- 単発の写真よりも シリーズ作品(連続したテーマ) を意識する
- RAWデータからの編集技術も磨いておくと良い
次ページではポートフォリオをより魅力的に見せるひと工夫をご紹介します