イルカ調教師
イルカの能力を最大限活用
ジャンピングスルーの妙技
イルカ調教師ってどんな仕事?
イルカの飼育と調教を担当し、ショーを進行させていくイルカ調教師
水族館でおこなわれる海の動物のショーのなかでも、イルカのショーはとくに人気が高いと言われています。このイルカの飼育と調教を担当し、実際にショーを進行させていくのがイルカの調教師(訓練士、トレーナー)の仕事です。
調教は、まずイルカにエサを受け取らせることから始めます。最初は用心しているイルカも、持ち前の好奇心で調教師のそばにやってきてエサを受け取るようになります。このとき同時に笛を吹く。これをくり返すうちに、笛とエサとの結びつきがイルカにわかってきます。これを基本にいろいろな動作を訓練し、うまくできたときに笛を吹く。ショーで見られるさまざまな演技はこれを応用したものです。
イルカの調教師の1日はかなりハードです。朝一番のエサの用意から始まり、プールの水温測定、イルカの健康チェック、朝のミーティング、そして第1回目のショーへ。この間、ショー担当以外のスタッフはエサをあげたり、そうじをしたり、ときには施設のペンキぬりなどもします。
ショーは1日数回ありますが、ショーの合間にもイルカの訓練は行われます。最終ショーが終わると、訓練担当以外の人は、ショーの後かたづけやそうじ、プールサイド周辺のチェック、エサの準備と給餌と仕事はつづきます。夕方のミーティング後も、やり残した仕事のかたづけや、個々の担当場所の点検などもあります。ほとんど立ちっぱなしの1日です。
イルカ調教師になるには?
水族館スタッフとしての採用が主流
どの水族館も、「イルカの調教師」のみを切り離して募集することはありません。イルカを含む動物の飼育係、あるいは水族館のスタッフとして募集されます。採用されたとしても、イルカの担当になる人もいれば、しばらくほかの部署に配属される人もあります。
現在、水族館への就職希望者は多く、いずれも採用枠を大幅に上回る応募があります。また欠員がない限り募集はしないので、いっそう狭き門になっています。現場の人の話をきいたり、情報をこまめに集めるなどして長期戦で臨む覚悟も必要です。
スタッフは、大学の水産学科などで学んだ人もいますが、専門学校の出身者、普通高校を出た人などさまざま。実際の仕事は就職してから学ぶことがほとんどですから、学歴は関係ありません。
イルカ調教師を目指す系統・分野の学部・学科
- 大学・短期大学 農学系統
- 専門学校 動物分野
- 海洋飼育学科 など
こんな人にイルカ調教師は向いている
- 海洋生物に関心があり、イルカが好き
- 水泳や素潜りが得意
- 体力には自信がある
- 視力が良い
- 粘り強い方だ
- チームワークを大切にしている