自動車・航空のしごととは?
人々の移動を支える、自動車・航空機。自動車を整備する自動車整備士や車体整備士、販売などで提案やアドバイスを行うディーラー、旅客輸送や貨物輸送で活躍するバス・トラック運転手、航空輸送を支える航空関係の職業など、多岐にわたります。
近年は環境に配慮したハイブリッドカーや燃料電池自動車、電気自動車が登場し、需要も高まりました。これらの整備には高い技術が必要で、新しい技術に対応できる人材が求められています。
自動車整備士は、自動車の専門的な技術と知識を持ち、点検・整備を行う職業です。新車の納入、車検時の自動車の点検・整備、モータースポーツのメカニックに至るまで、仕事内容は多岐にわたります。点検・整備は自動車ユーザーに快適な運転を提供し、車の安全性を向上させることにつながります。最近は地球環境に配慮したハイブリッドカーや燃料電池自動車、電気自動車などが登場し、整備に必要な専門知識が増え、期待が寄せられています。
自動車整備士になるには自動車整備士の国家資格を取得する必要があります。また、ハイブリッドカーの整備をするためには50Vを超えて直流750V以下、交流600V以下の電圧が流れる充電電路を作業できる資格「低圧電気取扱特別教育」が必要です。
平均年収
自動車整備工:440万円
(令和元年度 賃金構造基本統計調査 厚生労働省)
仕事につくにはチャート
自動車車体整備士は、とくに車枠と車体に特化した、自動車整備の中でもより専門的な整備士です。事故などによってできたキズやへこみ、ゆがんだフレームをコンピュータで厳密に計測し修理・復元するといった作業や、外装だけでなく安全性の確保も行います。最近は自動車の安全性能が向上し、構造も多様になっているため、新しい専門知識や経験が要求されます。
自動車車体整備士になるには、自動車車体整備士の国家資格を取得する必要があります。自動車整備の全般に対応可能な人材が求められるため、自動車車体整備士のほか、二級自動車整備士の資格も取得するのが理想的とされています。
平均年収
自動車整備工:440万円
(令和元年度 賃金構造基本統計調査 厚生労働省)
航空機の整備は大きく2つに分かれます。
- ライン整備
- ひとつは「ライン整備」と呼ばれるもの。航空機が到着してから次に出発するまでの間に飛行間点検(機体全般の外部点検、燃料補給、タイヤ圧点検、潤滑油点検など)を行います。また、約300時間(約1か月)の飛行ごとに約6時間かけて行うA整備(エンジン・ノーズギア・メインギア・フラップ・エルロン・ラダー・エレベーター・コクピットなど)もライン整備に含まれ、最終便が到着してから翌朝までの夜間にかけて行われます。
- 点検・重整備
- もうひとつが「点検・重整備」と呼ばれる、航空機をハンガーと呼ばれる格納庫に入れて行う定期整備です。点検・重整備は1~2年ごとに約10日間かけて行うC整備、5~6年ごとに行うヘビーオーバーホールにさらに分かれ、常に安全に運航できるよう万全の整備体制を整えています。通常の旅客機はもとより、ヘリコプターから自衛隊機まで、だいたいは同じようなメニューが組まれます。
仕事につくにはチャート
航空はお客様を航空機で安全に目的地へ運ぶための専門職で、さまざまな職種によって支えられています。パイロットや整備士だけではなく、地上でも多彩な業務がおこなわれています。
ディスパッチャー
航空会社で便ごとにフライトプランを作成する人をディスパッチャーといいます。気象状況などを踏まえ飛行コースや高度を決めたり、飛行中の運行状況を確認しサポートに回ったりなど、臨機応変な対応が求められます。天候の急変だけでなく、ハイジャックなどに対しても地上で冷静に判断し旅客機を導く責任も伴うため、「地上のもう1人の機長」とも呼ばれています。
マーシャラー
混雑する空港の中で、巨大な旅客機から小型機まで様々な機体を適切なスポットに誘導する係です。コクピットからは大きな主翼、エンジン、50m以上ある機体の後部が見えません。そこで、マーシャラーが迅速に誘導します。巨大な機体を正確に誘導するには、卓越した誘導技術が必要です。
ケータリング&貨物輸送
ケータリングは機内食を機内に搬入するサービス、貨物輸送は大量の乗客の荷物や空輸貨物を機内に届ける業務です。多様な物品が搭載されるため、輸送には細心の注意が必要となります。
パイロットは航空機などの操縦を行い、おもに人や物資の輸送に携わります。大型旅客機の操縦のほか、自衛隊のパイロットとして活躍する道もあります。近年は狭い場所でも離着陸できるヘリコプターのパイロットも活躍の場が広がり、事故現場へ医師や看護師を派遣するドクターヘリなども注目されています。
パイロットになるには、国家資格「事業用操縦士」の取得が必要なほか、無線に関する資格や国際線に必要な英語資格など高い技能が求められます。大学や短期大学・専門学校で所定の単位を修得後、航空大学校に入学して学び航空会社へ入社する方法、航空操縦やパイロット養成のコースがある大学・専門学校に入学して資格を取得してから航空会社へ入社する方法、または大学卒業後に航空会社に入社し自社養成パイロットとなる道があります。
平均年収
航空機操縦士:1695万円
(令和元年度 賃金構造基本統計調査 厚生労働省)
仕事につくにはチャート