【奨学金】日本学生支援機構(JASSO)の奨学金

【奨学金】日本学生支援機構(JASSO)の奨学金

日本学生支援機構(JASSO)の奨学金

日本学生支援機構の奨学金4つ

日本で最も有名で利用者が多いのが、日本学生支援機構の奨学金です。その中で、進学を目指す高校生に関係のある奨学金は主に4つです。1つ目は、2020年4月から始まった高等教育の修学支援新制度という名称の給付・減免型の奨学金です。2つ目は、利子のつかない貸与型の奨学金で、第一種奨学金と呼ばれています。3つ目は、利子のつく貸与型の奨学金で、第二種奨学金といい、在学中は無利子で、利率も低く設定されています。最後の4つ目は、第一種奨学金または第二種奨学金の利用者において、入学した月の奨学金の月額に一時金として増額して貸与する有利子の奨学金で、入学時特別増額貸与奨学金と呼ばれています。

日本学生支援機構で取扱っている奨学金

  • 高等教育の修学支援新制度
    給付・減免型の奨学金。2020年4月より開始
  • 第一種奨学金
    貸与型の奨学金。返済時に利子はつかない
  • 第二種奨学金
    貸与型の奨学金。返済時に利子がつく
  • 入学時特別増額貸与奨学金
    入学時の貸与額を一時的に増額できる利子つきの奨学金

日本学生支援機構の奨学金の申し込み方法

高等教育の修学支援新制度の奨学金も、第一種奨学金、第二種奨学金、入学時特別増額貸与奨学金も、日本学生支援機構が取扱っているので、窓口自体は同じです。
申し込み方法は、進学前に在籍中の学校(または出身校)を通じて申し込む「予約採用」と、進学後に申し込む「在学採用」があります。
※奨学金の申し込みには、申し込み者本人と生計維持者のマイナンバーの提出が必要です。

【申込時期】

  • <予約採用>※高校3年(進学の前年度)
    5月~7月ごろ
    ※募集回数や、締切り時期は在学する学校により異なります。必ず学校に確認してください。
  • <在学採用>※進学先を通して申し込む場合
    毎年春

【奨学金支給時期】

原則、毎月11日に振り込まれる(4月は21日、5月は16日に振り込まれる ※令和5年度例)

【申込スケジュール】

<予約採用>
※高校3年(進学の前年度)

  • 高等学校等から申込関係書類を受け取る
    4月発行
  • スカラネット入力(学生→日本学生支援機構[以下、機構])
    申込・書類提出(学生→高等学校)第1回:5月 第2回:6月
  • 推薦(高等学校→機構)
  • 機構での選考
  • 「採用候補者決定通知」の交付
    (機構→高等学校→学生)
    第1回:10月下旬、第2回:11月下旬
  • (進学後)
    進学届提出(学生→進学先の学校)
  • 採用の決定・通知(機構→進学先の学校→学生)
  • 返還誓約書の提出(学生→進学先の学校→機構)
  • 奨学金の振込
    ※進学後、速やかに進学届を提出しない場合、採用になりません。

<在学採用>
※進学した先を通して申し込む場合

  • 大学・短大・専門学校等[以下、進学先]の説明会
    4月開催(場合によっては動画やサイト等で告知)
  • 申込・書類提出(学生→進学先)
    スカラネット入力(学生→日本学生支援機構[以下、機構])
  • 推薦(進学先→機構)
  • 機構での選考
  • 採用の決定・通知
    (機構→進学先→学生)
  • 返還誓約書の提出(学生→進学先→機構)
  • 奨学金の振込
    ※各種締め切りは学校によって異なる場合があります。

日本学生支援機構の第一種と第二種貸与型の奨学金

【申込の条件(予約採用の場合)】

学生の2人に1人程度が利用しており、最も利用しやすいといえるのが日本学生支援機構の貸与型奨学金です。しかし、誰でも借りられるわけではなく、世帯収入が多い場合や成績が基準に満たない場合は、利用できないこともあります。やはり無利子の第一種奨学金は有利子の第二種奨学金に比べ、そのハードルが少し高くなっています。第一種奨学金の「予約採用」の場合、高校における全履修科目の評定平均値が原則3.5以上であることが必要です(※専門学校の「在学採用」の場合は3.2以上)。

ただし、成績が足りなくても家庭の経済状況などの基準を満たした場合、高校内での面談やレポートの提出などを経て学修意欲がある者と認められることで学力基準を満たした者として扱われます。

【受給できる金額】

区分 貸与金額(月額)
自宅通学者 自宅外通学者
第一種(無利子) 大学 国公立 2万円・3万円・4万5千円 2万円・3万円・4万円・5万1千円
私立 2万円・3万円・4万円・5万4千円 2万円・3万円・4万円・5万円・6万4千円
短期大学
専修学校
(専門課程)
国公立 2万円・3万円・4万5千円 2万円・3万円・4万円・5万1千円
私立 2万円・3万円・4万円・5万3千円 2万円・3万円・4万円・5万円・6万円
第二種(有利子) 大学
短期大学
専門学校
(専門課程)
2万円〜12万円(1万円きざみ)
※基本月額12万円を選択した場合に限り、希望により、私立大学医学・歯学課程は4万円、薬学・獣医学課程は2万円の増額が認められます(増額の手続きは進学後に行います)。

家計支持者の年収上限額の目安(カッコ内は給与所得以外の世帯※)

区分 第一種 第二種 併用
3人世帯 716(536) 1,113(879) 661(489)
4人世帯 803(552) 1,250(892) 743(506)
5人世帯 905(629) 1,334(958) 841(585)

(単位:万円)
(私立、自宅外の金額)

金額は目安です。併用は第一種と第二種の同時利用のことです。
※給与所得以外の世帯とは自営業などの世帯を指します

奨学金の返済方法の種類 第一種、第二種それぞれ2つ

第一種奨学金の返済方法

第一種奨学金の場合、申し込む際に「所得連動型返還方式」か「定額返還方式」のいずれかを選択します。所得連動型返還方式は所得に応じて、返済する月額を毎年見直します。そのため、所得が高くない場合でも無理のない月額で返済することができます。反対に所得が高ければ、短い期間で返済を終えることができます。定額返還方式は、返済が完了するまで毎月同じ額を返済します。毎月返済する額が決まっているので、計画を立てやすいなどのメリットがあります。

第二種奨学金の返済方法

第二種奨学金では、申し込む際に「利率固定方式」か「利率見直し方式」のどちらかを選んで将来返済していくことになります。利率固定方式では、貸与終了後に利率が決定され、その利率が返済完了時まで適用されます。一方、利率見直し方式では、貸与終了後に決定された利率をおおむね5年ごとに見直すものです。どちらの方式を選んだとしても金利の動向次第で、得をすることも損をすることもあります。なお、日本学生支援機構の奨学金は市場の金利が上がったとしても、利率の上限は3.0% までに制限されています。

【返還金額例】

第二種奨学金には利息があります。実際にどのくらいの額になるのか、借りる前に把握しておきましょう。

第二種奨学金(4年間(48ヶ月)借りた場合の返済額)「年利1.0%」

貸与 返還
月額 返還 総額
(元金+利息)
月賦額 回数 期間
30,000円 1,440,000円 1,543,214円 9,892円 156 13年
50,000円 2,400,000円 2,597,188円 14,428円 180 15年
80,000円 3,840,000円 4,257,117円 17,737円 240 20年
100,000円 4,800,000円 5,321,420円 22,172円 240 20年
120,000円 5,760,000円 6,385,730円 26,606円 240 20年

入学時特別増額貸与奨学金

この制度は第一種または第二種奨学金に加えて、入学した月の奨学金の月額に一時金として最大50万円まで増額して貸与される 利子つきの奨学金です。「国の教育ローン」が不採用となった学生を対象としています。またろうきん(労働金庫) のつなぎ融資でこの増額奨学金交付までの間、その範囲内で融資を受けられる制度もあります。

貸与型の奨学金は借金と同じということを知る

「もらうもの」ではなく、「返済するもの」という理解を

最近、奨学金の返済ができていない人が増加していることが問題となっています。日本学生支援機構の調査によれば、延滞の理由の大半が家計の問題ですが、中には「返済するものだとは思わなかった」や「忙しかった」など、返済に関する理解や意識の低さによるものもあります。延滞者の場合、奨学生本人の年収が300万円以下が全体の約68%を占めており、年収が300万円以上の収入になると、延滞者の割合は大きく下がっています。

日本学生支援機構奨学金返済状況

  • 返還を必要とする者・・・464万4千人
  • 返還している者・・・434万9千人
  • 1日以上延滞している者・・・29万5千人
  • 3ヵ月以上延滞している者・・・12万8千人

延滞者の割合(3ヵ月以上延滞者)=約2.7%

(令和3年度末現在 日本学生支援機構調べ)

返済困難者を助ける「返還期限猶予制度」「減額返還制度」もある

日本学生支援機構の奨学金の場合、貸与金の返済は卒業後7ヶ月目から始まります。ただし、第一種奨学金では返済困難な方に対し、卒業後一定の収入を得るまで返済を待ってもらう「猶予年限特例」制度があります。この他にも、返済者が事故や災害などに遭い返済が困難になった場合も、申請をすることで返済開始を遅らせたり、一回の返還額の減額や、返済期間の延長をすることができます。延滞してしまい、延滞金を支払ったり、クレジットカードやローンを利用できない状態にならないためにも、これらのことを事前に理解しておくことが肝心です。

猶予制度の認知度(延滞者)

知っていた
79.1%
知らなかった
20.9%

減額返還制度の認知度(延滞者)

知っていた
62.1%
知らなかった
37.9%

延滞者のうち、猶予申請をしない主な理由

  • すでに猶予期間(通算 120ヶ月)を利用してしまったため
  • 手続きがよくわからない、よく知らないため
  • 返還期限猶予制度の基準に該当しないため
  • 猶予申請しないで返還予定のため
  • 猶予申請手続に手間がかかるため

(令和3年度末現在 日本学生支援機構調べ)

返還にあたり押さえておこう
日本学生支援機構の奨学金のポイント

  1. 延滞に注意!「 奨学金=借金」ということを忘れずに
  2. 返済は卒業7ヶ月後から。返済期間は最長20年(利用金額により異なる)
  3. 第一種奨学金は、返済開始時期を延ばす「新たな所得連動返還型奨学金制度」あり

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