公務員の種類・公務員試験スケジュール・採用データ
公務員とは、文字どおり社会に広く役立つ業務に従事する社会人のことです。営利を優先する民間企業とは目的が異なり、国や地域社会がより安定し、人々が安心して暮らせるようにさまざまなサービスを公正に提供する、とてもやりがいのある仕事です。若い志願者が年々増えてきており、とくに国家公務員においては女性の採用者が約4割を占めるまでになっています。
一般職を中心にますます人気が高まる国家公務員
国家公務員とは、国の仕事に従事する公務員のことで、一定の資格を備えていれば誰でも受験できます。高校を卒業してその資格が得られる試験には国家公務員一般職、皇宮護衛官、刑務官、入国警備官、税務職員などがあり、公的な存在であるうえ雇用や待遇が安定しているため、景気の動向にかかわらず人気が高い職業の一つです。
昨年度(2023年度)の一般職(高卒者)の申込者数は9,889人で、最終合格者は3,407人。昨年よりは減少したものの、倍率は2.48倍となっています。一般職は最も人気が高い職種です。
一般職の採用者数は1,430名となり、うち女性は561名でした。採用者数の多い順に国土交通省(496人)、厚生労働省(317人)、検察庁(107人)、法務省(99人)、税関(94人)と続き、採用のない省庁も複数ありました。※(前年度実績。令和5年11月時点)
いずれにせよ、主要な職種を中心に今後も申込者が安定していくことが予想されます。
公務員の種類(高卒程度)
種類 | 業務内容 | 活躍できる場所 | |
---|---|---|---|
国家公務員 | 一般職 | 各官署の一般事務または技術職に従事。採用区分は、事務・技術・農業・農業土木・林業の5区分に分かれる。 | 各府省庁など |
専門職 | 特定の行政分野に係る専門的知識を必要とする業務に従事。試験の種類は、皇居護衛官、入国警備官、刑務官、税務職員、航空保安大学校学生、海上保安大学校学生など。 | 皇宮警察本部、税関・入国管理局、刑務所・拘置所、税務署、海上保安大学校など | |
その他 (特別職) |
裁判所職員、衆議院事務局職員、参議院事務局職員、国会図書館職員、自衛官(防衛大学校学生、防衛医科大学校学生、航空学生、一般曹候補生、2等陸・海・空士など)。 | 裁判所、衆議院・参議院事務局、国会図書館、防衛大学校など | |
地方公務員 | 事務系の仕事 | 都道府県の役所やその出先機関で一般事務に従事。そのほか、学校事務(公立)・行政事務・警察事務などがあり、自治体によって種類が分かれている。学校事務は主に小学校・中学校が中心。 | 都道府県庁、市・区役所、町村役場とその出先機関、警察署、小・中学校など |
技術系の仕事 | 電気、機械、土木、農業、建築、林業など専門知識を活かした業務に従事。 | 地方の研究所、試験所など | |
警察官 | 採用は各都道府県単位で実施。 | 地方の警察署、交番 | |
消防官 | 採用は各市町村単位で実施(東京は都単位)。 | 地方の消防署 |
公務員試験(高卒程度)スケジュール
受験資格
採用までの流れ(国家一般職試験・2023年度実績)
試験内容
区分 | 試験科目 | 内容 | |
---|---|---|---|
国家一般職 | 地方初級 | ||
1次 | 基礎能力試験 (多肢選択式) |
教養試験 (多肢選択式) |
公務員に必要な一般知識や国語・社会・数学・理科・英語などの知識と一般知能についての筆記試験。 |
適性試験 (事務系のみ・多肢選択式) |
適性試験 (事務系のみ) ※ 実施の有無は自治体によって異なる |
正確さ、敏速さ、熟練度といった適性面についての試験。時間内にできるだけ数多く解答するスピードが要求される。 | |
作文試験 (事務系のみ) |
作文試験 | 教養試験・適性試験では見ることのできない、文章による表現力や課題に対する理解力を見る。 | |
専門試験 (事務系以外・多肢選択式) |
専門試験 (技術系のみ) |
電気、機械、土木、建築、農業土木、農業(水産、畜産)、林業、各試験区分に応じて、専門業務を遂行していく上での専門知識や技術があるかを見る。 | |
2次 | 人物試験 | 人物試験 | 面接あるいは集団討論によって、筆記試験では評価しにくい、就職意欲、人柄、対人的能力、職務遂行能力等を判定。 |
身体検査 | 胸部疾患の有無や尿検査などの一般内科系検査を行う。 |