ちょっと役立つ進路の話

便利?楽しい?仕事はどう変わる?AI(人工知能)の話

AIとは?

自動運転車や、スマートフォンの顔認識、音声認識アシスタント…。
今や身近な存在となったAI技術。

AIは「人工知能」の略で、コンピュータに考える力を持たせる技術のこと。
その真価を支えるディープラーニング(深層学習)などのアルゴリズムやモデルが開発され、処理能力があがったことで大幅に性能が向上したといわれています。
これまで機械化・自動化は難しいと思わ:れていた業務にも広がりつつあり、人間よりも機械の方がはるかに得意な分野が数多く誕生しています。

ディープラーニングのしくみって?

AI概念

そのAI、特にディープラーニングの仕組とは何か。
ディープラーニングは人間の脳の働きに触発された学習方法。
問題を解決するために、大量のデータを使って「モデル」と呼ばれるプログラムを訓練します。
このモデルが脳の神経機能の仕組に似たニューラルネットワークと呼ばれるものを使い、入力されたデータを学習します。
たとえば、人間は猫を見たときに「猫」と瞬時に判断できますが、この判断までのプロセスは生まれ持ったものではありません。
そのメカニズムは「三角の耳」「ニャーという鳴き声」「丸い顔にひげ」「全身が毛で覆われている」「長いしっぽ」…といった目や耳から得た情報を、経験、知識と照らし合わせて推測しています。それと同じようにAIは、大量の画像、情報などのトレーニングデータを学習し、出力を正確に予測できるよう訓練される仕組みを活用しています。

ではAIがどのように使われているかを次に「artguru」と「Chat GPT」で体験してみます。

実践してみよう

① AI画像ジェネレーター artgurulogo

beforeBEFORE

まず用意したのは筆者のペット「ヤモリ君」が昼寝している次男にちょっかいを出す画像(BEFORE)。
見たところ、彼は超ミニ恐竜です。
そこで、画像のアップロードと一緒に「ジュラ紀 森 肉食恐竜」というテキストを入力。

afterAFTER

結果は怖い見た目の異生物…
完全に「閲覧注意」ですね(AFTER)。
ただ、ひとつひとつのパーツは納得するイメージではあります。硬そうな緑の皮膚に、鋭い歯がついています。多くのデータから人々のイメージに沿ったイラストを、画像に落とし込んでいます。

今回は非常に初歩的かつ少ないデータで判断させた結果、かなり「コレじゃない」ことになりましたが、大量のデータ、条件設定などによって、コンピューターの長所「記憶量」「計算能力」を最大限に引き出せば、理想のイメージに近づくことができると考えられます。

② AIチャットツールChat GPT openai

chatgptイメージ

「渋谷区の都市伝説、面白いものを3つ教えて」
と質問してみました。
その結果が左(イメージ)です。
どれもこれもウソっぽい話ですが、AIにとっては真実=正解ではありません。Web上を飛び交っている膨大な情報を解析し、その中からユーザーにとって魅力のある、必要とされる情報を提供するのが正解に最も近いと判断し、回答を返されたようです。

この原理がより高度化・専門化すると、実在の人物の画像を使い、「声質」「表情」「しぐさ」「言葉」など大量のデータの特徴を組み合わせてフェイク動画も作れてしまいます。
AI(人工知能)がより高度な学習を自ら行うようになれば人間の負担は減り、業務は飛躍的に効率的になると予想されます。
どう活用していくかがこれからの課題ともいえます。

AI×ファッション業界

fashion

業務の変化
ファッション業界で重要な職務のひとつがMD(マーチャンダイズ)業務。
流行を先読みし、需要予測を立て、「何を」「どのタイミングで」「どんな価格設定で」「どんな売り方をするか」という戦略を立て、実行する仕事。
従来、需要予測や在庫最適化は、経験則や人の直感に基づいていたことが多かったMD。これにより、在庫過剰または在庫不足が発生しやすいという問題点がありました。
AI導入後は、大量のデータを分析し、季節・地域変動、トレンド動向などを考慮し、より正確な需要予測と在庫最適化を行うことが可能に。
在庫コストを削減すると同時に、商品の欠品リスクを最小限に抑えることができるようになっています。
デザイン、トレンド予測においても、経験・センスが重要視されていましたが、正確な予測は難しいもの。
AIは大量のファッションデータ、市場の価格変動をモニタリング、分析し、トレンドを予測。効果的な価格戦略デザイナーやMD担当者に情報提供を行います。これによりより効果的な商品戦略率案が可能になりつつあります。

サービスの変化
気軽にいつでも、いろんなブランド、価格帯の商品を選べるオンラインショッピング。
ただし、試着の難しさが課題としてありました。
そこでAIを私用したバーチャルトライオンやAR技術を利用してオンラインでバーチャル試着できるサービスが登場。商品のフィット感やスタイルを確認できるようになっています。
また、好みやライフスタイルを分析し、AIがスタイリングアドバイスやコーディネートを提案してくれる活用事例も。

AI活用の限界、課題
AIはデータやトレンドを予測したり、パターンを分析することは得意としていますが、クリエイティブ、アートに対する理解は人間に劣る部分。
ファッション業界ではデザイナー、クリエイターの発想を置き換えることはまだまだ難しいというのが現状です。
また、AIによる提案はサイズや体型の多様性はすべての個人に適しているわけではありません。
学習するデータの公平性や透明性、個人的情報の使用に関するプライバシーの懸念など、まだまだ新しいアプローチが必要とされています。

AI×コールセンター

コールセンター

よりスピーディーに、より正確に
故障や、困った、どうしたらいい?というときに活用したいコールセンター。
公式ページのFAQを調べてコールセンターに電話。着信を受けたオペレーターは問合せに対応する形態が一般的とされてきました。
オペレーターは事前にトレーニングを受け、スクリプトと言われる指示書に基づいて対応をします。 しかしこの方法では、今困っている、わからないからコールセンターに連絡し解決したいのに、調べる手間がかかります。
また、オペレーターの手動作業が主流だったため、経験、勘に頼る部分が大きく、人的エラーが発生しやすくなるという課題がありました。
AI導入により、簡単なタスクや問い合わせは自動化が進み、オペレーターはより複雑、専門的な業務に注力できるように。
また24時間対応できる点もユーザーにとっては大きなメリットと言えるでしょう。

AIは単純な問題や繰り返しの業務には効果的ですが、人間同士のコミュニケーションにおいては感情や言葉のニュアンスを理解したり、共感し、的確なサポート、コミュニケーションを提供することは難しいと言えます。
また、AIは大量のトレーニングデータに依存して学習します。トレーニングデータが不足していたり、偏りがあったりすると、AIの予測や対応も制約されてしまうことに。
システム障害がおきた時などは自己修復することができませんし、精度の維持・向上には定期的なメンテナンスが必要というのが現状です。

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