ちょっと役立つ進路の話

走り続ける自動車業界

2024年のクルマの整備とは?

急速に電子化する現代のクルマ
1995年に発表され世界中で人気を博し、古いスポーツカーの市場価格が高騰する遠因にもなった漫画「イニシャルD」。主人公は旧型のトヨタ・スプリンタートレノをカスタムして乗っていました。サスペンションを変えエンジンを載せ替えて古いスポーツカーを速いクルマに仕立てますが、1983年に産まれたこのクルマの重要な電子部品は、エンジンを制御するシンプルな車載コンピューターと、燃焼室に燃料を送り込むインジェクションくらいで、カスタムの自由度も高いものでした。
それから40年以上。
未来の自動車の話題といえば全車EV化と自動運転のインフラ整備が主流となっています。イギリスでは当初より5年延長しましたが、2035年には内燃機関自動車の生産終了が目標となっています。
では、2024年の現代、従来からのガソリンで動くクルマの中身はどう変わっているでしょうか?
実は「EV化」「完全自動運転(レベル5)」はひとつの到達点にしか過ぎません。現代の車載コンピューターは既に高度過ぎるほど発達し、クルマの「走る」「曲がる」「止まる」は全てデジタル機器が介在しています。エンジンには走り方によって常に最適の量の燃料が送られるように設定され、トランスミッションには各種センサー、ブレーキには状況に応じたABSが与えられています。それらをネットワークし、統合されたコントロールに導くのがCANというシステム。こうした複雑なシステムの規格化・汎用化が、自動車メーカー・部品メーカー・電器メーカーの課題になっています。

デジタル化への対応

自動車

大量の情報を制御するということ
このような車載ネットワークの複雑化は、様々なところに影響してきます。先述のように、エンジン部品やサスペンションを交換すれば普通に性能が上がったのは過去の話。ガソリンエンジン車の構成自体は130年以上あまり変わりませんが、その周りの包むデジタル制御の皮はどんどん厚くなっています。
それどころか、普及が進むドライブレコーダーやテレビキャンセラー、盗難防止装置、スマホアプリなど、便利なアクセサリーと呼ばれるものすらネットワークに影響を与える可能性も指摘されています。例えば、実際の車速と、カーショップで売っているアクセサリーを繋いだデバイスの値にもし誤差が生じると、車載コンピューターが異常を察知してセーフモードに入ってしまい、クルマの性能が発揮できなくます。

不適合なアプリケーションや周辺機器によって生じるバグによるスマホやPCの不具合が、クルマにも起きるのです。燃費、各部の自動化や安全性、運転のしやすさ、コントロールの確実性は飛躍的に上がりましたが、その代わりブラックボックス化が進み、整備する側に要求される知識とスキルは年々高度なものになっています。

シゴト

自動車整備士の将来

工具

電子制御とAIの知識の必要性
自動車を構成する部品の理解もさることながら、それらを制御するネットワークの知識や課題発見能力、新製品・新技術の知識も必要となります。IT技術者並みの知見も必要になってきます。
各部品の作動原理や整備への理解
デジタル技術が急速に進化しているとはいえ、自動車を構成する部品への理解や整備の能力向上も大きな課題です。ガソリン→EVへ革命的な進化しても、ブレーキ・タイヤなどクルマを構成する部品自体は機構や素材、形状が正常進化していくと思われます。こうした基本的な技術はこれまで同様、修得する必要があるでしょう。
ユーザーのニーズへの理解
どのようなことを求めているか、どんな整備が必要か、どんな弊害が出るか…。整備やカスタムを求めるユーザーの要望を理解し、それに対して的確な提案をする必要があります。1983年のクルマとは全く違うレヘルの提案です。特に過渡期である現在は、古くからの内燃機関の知識とデジタル技術、両面からニーズにアプローチしなければなりません。

自動車の世界は、今が大変革期。新しい技術がどんどん出てきて、規格化も進んでいます。これからは、今まで考えもつかなかったビジネスが出てくる可能性があります。大きな希望と新しい発想で、自分の夢を実現させてみませんか?

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